ぶらりのつもり。

平成生まれがよい大人を目指す道ログ

機械式カメラの愉しみ

機械式フィルムカメラが最高な件

f:id:kutsune60:20200218202433j:image(FM2とFM3A)

フィルムカメラデビューした友人と写真を撮りに行ったらあんまりにも楽しかったので筆をとりました。

 

きっかけは今年の年末、日本中でたくさんの人がコタツでみかんをむいてスマホと紅白をみながらくつろいでいるあの時間。SNSに個人的な自己満2019ベスト写真をあげたところ、高校時代の友人からメッセージを貰いました。「フィルムカメラを始めたいんやけどアドバイスくれたら嬉しい」的な。聞けば今はコンパクトデジタルカメラを持ってるけど、次にはフィルムカメラが欲しい。それもフィルム一眼レフが欲しいとのこと。

 

ほかの多くの写真趣味な人がそうであるように、僕も相当なテンションの盛り上がりをもってその友人に応えました。写真が好きだから早速フィルムカメラにかかりたいだなんて最高じゃないですか。

 

白羽の矢はNikon

嬉しがった僕は自分でもよく眺めるサンライズカメラという、奈良県は桜井にあるオンラインカメラショップのブログを友人に送りました。ここのブログはフイルムカメラ愛に溢れており、またカメラのナニワ的な沼に誘う恐ろしい迫力(僕は好きです)が無いので初めての人にも見やすいかなと思います。カメラ紹介をはじめとするコラム記事はとても丁寧だし!

https://sunrise-camera.net/user_data/blog/list?cate=4

 

結果として彼女が購入したのはNikonフィルムカメラであるNew FM2でした。なんて素晴らしいチョイス!FM2のスペックはググれば無限に褒め称えるWebページがあるので触れませんが、プロも使った一級のミドル機です。なんなら僕も欲しい。FM3Aからは斜体になってしまったNikon銘がまだ縦フォントなのがいいんですよね。f:id:kutsune60:20200218231126j:image(うちのFM3A)

上のがそうですが僕もメインのカメラはNikonなので仲間が増えてとても嬉しかったです。それに僕は他にも写真友達数人をフィルムカメラ沼へいざなってきましたが、皆が買ったのは、キヤノン派はEOS1VとEOS3、ニコン党ならF100と自動化の進んだカメラばかりでした。しかしここにFM2です。フルマニュアルの機械式カメラ!使い方レクチャーも兼ねて、共通の写真友達も誘って写真を撮りに行こうぜという話になり、2月にしてはとても暖かい日となった神戸へ出かけました。

 

小春日和の神戸へ

行程は僕が組みました。神戸に行きたいというリクエストを受け、元兵庫県民として良い写真散歩にしたかったのです。「東遊園地のファーマーズマーケット→光の入るカフェでお昼ご飯→奈良県民の永遠の憧れである海」と巡るフォトウォークとしました。f:id:kutsune60:20200218231022j:image(X100F )

三宮駅で下車し、ファーマーズマーケットをやっていると情報を得ていた東遊園地に向かいます。f:id:kutsune60:20200217235806j:image(Autocord×Portra400、光リークしてる…?)


f:id:kutsune60:20200217235809j:image
f:id:kutsune60:20200217235812j:image(FM3A×Sigma 105mm F2.8 EX)

着いてみるとマルシェはとても可愛い雰囲気で、声をかけると写真も撮らせてくれました。兵庫県内の野菜がたくさん並べられていてら知らない間に友人は椎茸を買っていて笑いました。あと昼ご飯を前倒しにしてここで食べた野菜スープ(店主が獲った猪肉入り!)と干し芋が美味でしたね。f:id:kutsune60:20200218000045j:image
f:id:kutsune60:20200218000051j:image
f:id:kutsune60:20200218000048j:image(FM3A×Sigma 105mm F2.8 EX)

撮り歩く間、カシャン!というかバチャコン!というか、同じFM系のシャッター音が自分以外からも鳴っているのがめちゃくちゃ楽しかったです。FM3AとFM2はシャッター機構は一緒なんですかね。シャッター音量的な意味における我々の撮ってる感たるや素晴らしかったです。機械式カメラ友達は初めてできたもので、僕はかなりテンションが高かったと思います。f:id:kutsune60:20200218000429j:image(この日も人気者だったオートコード)

 

カメラ、海へ行く

一向は洒落た雰囲気の旧居留地を抜けて海を臨むメリケンパークへ向かいます。

f:id:kutsune60:20200219194130j:imagef:id:kutsune60:20200218001154j:image(FM3A×Sigma 105mm F2.8 EX)


f:id:kutsune60:20200218001151j:imagef:id:kutsune60:20200218231613j:image
f:id:kutsune60:20200218231617j:image(X100F)

 

ラグビーワールドカップぶりにメリケンパークへ来ましたが、やっぱりここは気持ちがよいですね。f:id:kutsune60:20200218001431j:image(FM3A×Nikkor 85mm F1.8D)

f:id:kutsune60:20200219193939j:image(僕に唆されてX100F を買った友人と僕に唆されてFM2を買った友人です)

f:id:kutsune60:20200218202923j:image
f:id:kutsune60:20200218202914j:image(Autocord)

この辺ですこし時雨たりしたのでカフェに逃げこんだりしましたが、小腹が空いてたりしたのもあってちょうどよかったです。

 

機械式カメラの魅力

自分以外がフルマニュアルの機械式カメラを使っているところを初めてみましたが、本当にいいもんだなと思いました。フィルム巻き上げの音やミラーが返る音がなんとも言えず、撮るほどに高揚感を煽ってきます。

 

フィルムカメラに手軽さを求めた時には面倒に感じるかもしれない機械式カメラですが、逆に言うとこれほど趣味性の高いカメラもそうありません。所作のすべてが作業ではなく愉しみなのです。フィルム巻き上げのトルク感と絞りリングのクリック感とピントリングの滑らかな抵抗が僕はやっぱり好きです。

 

おまけ

神戸での会は夕方に解散になりましたが、フィルムを撮りきっていなかった僕は1人で日暮れを撮りにコンラッド大阪に向かいました。f:id:kutsune60:20200219083745j:image

前々から気になっていた場所ではあったのですが、いざ入口まで来たらイヤこんなん入っていかれへんやろという圧倒的高級感。ビビって一度玄関をスルーしました。それでもせっかく来たし…と戻って中を伺っていると、ボーイのお兄さん(金髪蒼眼の衝撃的イケメン)がカメラを提げた僕の目的を察したのか、中へ通してくれました。

エレベーターで高くまで上がり、扉が開いた先の光景は圧巻!最高でした。f:id:kutsune60:20200219083907j:image
f:id:kutsune60:20200219083851j:image(X100F )

中に通してくださった感謝の意を込めてこんどは妻を連れてちゃんとお茶でもしに来たいと思います。ディナーどころかランチも厳しい気がするので、どうかご勘弁ください…。

 

ちょうど日が暮れていく時間で、現像したら光がガラスの反射と混ざって溶けるようでした。f:id:kutsune60:20200219083745j:image
f:id:kutsune60:20200219083948j:image
f:id:kutsune60:20200219083951j:image(Autocord)


f:id:kutsune60:20200219083954j:image
f:id:kutsune60:20200219083945j:image(FM3A×Nikkor 85mm F1.8D)

 

ここで買ってから初めて二眼レフのスポーツファインダーを使いました。使いにくい…。そりゃ一眼レフに淘汰されるわけですね笑f:id:kutsune60:20200219084350j:image(Autocord)

 
余談のインポッシブルアーキテクチャ

このあとコンラッド大阪から下界に降り立ち、土曜の夜間開館中の国立新美術館で「インポッシブルアーキテクチャ展」を観てきました。f:id:kutsune60:20200219190019j:image

なぜ余談なのにわざわざ言及するかと言うと、これがめちゃくちゃ良い展示だったんです。日本の三都市を巡って大阪が最後なのですが、まだの人は是非行って欲しい。遠方から行く価値もある企画展だと感じました。

ここで言う「良い展示」というのは、観てて楽しかった〜という単純な話ではなくて、観終わった後に残る感触がとても良かったという評価です。インポッシブルアーキテクチャ展は展示の充実度に加えて批評性と皮肉がしっかり盛り込まれていて企画がクレバーでした。

勘の鋭い方なら展示を見て行くうちに「これクライマックスはアレじゃね…?」という気がしてくると思います。そして全てを終えたあとに展覧会広告のビジュアルを見ると、なぜか入っている取り消し線の意味が痛烈な皮肉として日本人に刺さってくると思います。

3/15まではやってるので皆さま是非!とお勧めをしたところで本記事を終えたいと思います。

 

Beatlesモノラルステレオ比較⑤

Help!【1965】

f:id:kutsune60:20200213192353j:image

Beatlesモノラルステレオ聴き比べの第5段、1965年の「HELP!」をお送りしたいと思います。ちなみにあんまりにもあまりなので始まってから2文目で書いてしまいますが、HELP!のモノラル音源はゴミ音質です。

さぁやるぞと曲を再生してからわずか5秒でモノラルが脱落して、ステレオ音源のみの比較となりますことご容赦ください。笑

 

仕切り直しまして、実はこの前誕生日だったのですが、プレゼントに妻からBeatlesホワイトアルバムアビーロードの50周年記念盤LPをもらいました。控えめに言ってめちゃくちゃ嬉しかったです。夜遅かったし一緒に花も貰ったりして感情が忙しかったのでそこばかりにリアクションをとる余裕はなかったのですが、今こうしてBeatlesを聴きながら思うとやっぱりレコードはめっちゃ嬉しいです。とても好きです。

サブスクではもう聴いてましたが、やっぱり違うんですよね。音質云々以前に、ターンテーブルに乗せる重みが好きだし、モノとしてアウラを感じられるのが好きです。ちなみにいつのまにかアビーロードのLPはこれで5枚目です。笑

 

HELPで比べる4音源

今回の比較は4音源で、2009モノラル、1987ステレオ、2009ステレオ、そしてモノラルのおまけで着いている1965ステレオです。モノラルリマスターのアナログ版には無かったけどCD版には1965年発売当時のステレオ音源が一緒に入っていました。太っ腹やん!と最初は思いましたが、今となってはモノラルが酷すぎるという申し訳なさによって同梱されているのではという邪念さえおぼえます。そのくらいモノラルがひどい…。

 

どないなっとんねんモノラル

まず開始5秒で脱落していったモノラルからいきます。さて、1曲目を聴いた瞬間に「ん?」となります。なんなら1曲目のHelpがいちばん酷い。水量半分で炊いてしまったご飯のようにパサパサしている上にジョンの声は震えてかすれて上ずってしまっています。楽器はくっついて団子になっているしボーカルは潰れて歪んでいて、笑えてくるレベルの酷さです。別に僕みたいに聴き比べなんかしていなくても流石にこれには気づくと思います。逆にこれで"悪い音質"というものを知る、とかどうでしょう。音質比較のいい例にはなるかもしれません…。

 


2曲目のThe Night Beforeを聴いても違和感は拭えません。なんか膜を1枚通して聴いているかのようで、メリハリが全くありません。3曲目くらいからはちょっとマシになっている気がしましたが、You're Going To Lose That Girlでまた団子に戻り、パサパサでべちゃべちゃの音楽になります。どないなっとんねんこれ。

 


ジョージマーティンの耳は音質に厳しかったようなので、何故こんな出来の音源が世に出回ったのか不思議でなりません。しかも当時の再生環境としては主流であったはずのモノラルでこれを許すマーティンの考えがわかりません。Helpのアルバムには携わってないんやろうか。理由を更に調べることをしなくて申し訳ないですが、どなたか有力情報あればお願いいたします…。

 


ちなみに唯一僕がモノラル音源でよかったかなと思ったのはTiket To Rideです。これには迫力というかラウド感があります。この曲だけはステレオ音源には無い塊感が好印象でした。ギターとベースとドラムが同じ動きをして、ジョンの言う「ヘヴィメタルの先駆けだった」がモノラル音源だとよくわかります。

怖いもの聴きたさのある人か、ヘビーな塊感のあるTiket To Rideが聴きたい方のみ買ってみてください。基本的には、まったく勧めません。

 


勝負はステレオ音源のみでやります

ボロクソ書きましたが、逆に面白くはありました。モノラル音源。

 


さて、本命のステレオ音源3つですが、正直今回の1位は好みで決めてしまいました。音質だけでは決めれんかったです。

 


銅賞:1965ステレオ

まずは3位ですが、モノラルリマスターのおまけ?で付いている1965ステレオとしました。昔の音源が聴けてレアなのだとは思いますが、さすがにすこし音像が野暮ったい印象を拭えません。1965年の音源ということはアナログで出したものをデジタルに移したのかなと思いますが、ここはメディア特性の差ですかね。You're Going To Lose That Girlのピアノとか、もうちょっと分離して聴こえてほしいかな〜。

 


全体的にちょっと眠いというか、クリア感があまりありません。これが悪い!というわけでもないのですが、驚きもないし平凡だなぁということで銅賞に落ち着きました。

 


銀賞:2009ステレオ

え⁉︎これが一番よくない⁉︎という声が聞こえてきそうです。うん、そうかもしれません。異論を認めます。なんせ確かに音はこれが最もクリアでパンチもあります。瑞々しさがあると言っていいかもしれません。

 


しかし僕にとってはすこしギャンギャン鳴り過ぎているように聞こえます。ベースもブンブン唸りすぎているような気がします。ちょっと極端なのかもしれません。お酒が入った状態で聴くならこの2009ステレオかなぁ。ギターの歪みなんかもカッコよいし、Beatlesのロックバンド性を感じられます。キャバーンでのビートルズとか好きなのでロックな一面も歓迎だと思っていたのですが、なぜか選べませんでした。僕がこのアルバムに求めているのは違ったようです。好みですみません…!

 


サブスクにあるのはこの音源ですので、ぜひ状態のよいヘルプを聴いてみてください。

Help!

Help!

 

 

 

金賞ゴールド:1985ステレオ

というわけでHelpの音源比較は1985年のCD化時音源を優勝としました。2009ステレオを聴いてると、いいね!素晴らしいね!という気分にはなるのですが、そのあと1985ステレオに戻ってくると、なんというか素晴らしい安心感に包まれます。

 


趣味の世界な気がしますが、それくらい1985ステレオは令和のこの世にもオススメできます。破綻なくまとまっていて、かつどの音が前に出るべきかよく見えています。You're Going To Lose That Girlは2009版だとちょっとベースが出過ぎていてやかましいのですが、1985は適度なまとまりを保っていて、ビートルズってええバンドやな〜という謎な感想をもたらしてくれます。

 


もしかして今となってはこちらの方が手に入りにくいのでしょうか。最新デジタルマスター以前のジョージマーティンの素晴らしい仕事を味わってみてほしいです。

 


モノラル音源とステレオ音源の違い

ちなみに、Helpの楽曲で音源に違いがみられるのは2点です。

 


・歌詞が違う

Aメロ1番の歌詞が明らかに違います。ステレオ版では「But now these days are gone…」と歌われるところが、モノラルでは「And now these days are gone…」となっており、歌詞をみながら聴いているとすぐにわかります。

 


・ハンドクラップの回数が違う

戻りAメロというか、静かになって戻ってくるメロの部分でタンバリンの鳴る回数がモノラルとステレオでは異なっています。モノラルはステレオはです。これも分かりやすいと思いますよ!

 


あと特徴的なジョージの下降アルペジオが異なるという話もあるようですが、僕も確認できませんでした。違うような、違わないような…。

 


以上が5枚目アルバム「HELP」の聴き比べでした。次は名盤ラバーソウルですね。気長にやります…!

奈良で初めてのフォトウォークに参加してきた話

X100フォトウォーク@秋の奈良

f:id:kutsune60:20191203204201j:image

「写真好きで集まって撮り歩く」というのは界隈ではよく聞く話ですが、ちょっとクセのあるフォトウォークに参加してきました。参加できるのはFUJIFILMのX100系統ユーザーのみという機種縛りフォトウォークです。先に申しあげますが作例重視の記事ではなく、楽しかったぜー的なやつですのでご承知おきください。写真はすべてなんらかのフィルムシミュレーションによるJPEG撮って出しです。

 

X100シリーズはハイエンドコンパクトデジカメとしての立ち位置的には唯一無二ながら、それゆえの独自性というかガラパゴス感があるカメラです。富士フイルムユーザーには有名なカメラだと思いますが、初めてカメラを持つ人が持つようなカメラではない気がするし、僕も薦められません。大ハマりするか不幸な大事故が起こるかの2択だと思いますが、残念ながら後者が多いことは想像に難くないかなと…。てかまず値段が高い。笑でも一方でそのガラパゴス感が連帯意識を生む気がしています。f:id:kutsune60:20191209204127j:image

 

このイベント参加はたまたまTwitterでharenohiというフォトサークルの案内で、FUJIFILMのX100系ユーザーのみが参加するフォトウォークが奈良であると聞き、主催の方に恐々と参加を希望してみたのがきっかけです。ちょうどその頃、秋口くらいだったかと思いますが、僕は欲しい欲しいと恋焦がれていたX100Fを購入したばかりのタイミングで、いやーこのカメラ良いな!と思っている時分であったのです。しかも場所は僕が中学高校時代を過ごした懐かしの奈良で、勝手にこれ俺めっちゃ対象者やん!と思ったのを覚えています。

 

参加を申し出たところ快諾いただき、あっという間に11月のフォトウォーク当日となりました。当日までに参加者は9人となり、主催のMiyachiさんと一緒に来てくださった奥さまが首から提げるX100Fと合わせてなんと10台!メンバー構成としては初代X100の無印が2台と最新のX100Fが8台という布陣で、集合写真はなかなかのインパクトでした。富士フイルムのX100広報チームに届いてほしいくらい笑

f:id:kutsune60:20191203204249j:image(この写真は主催のMiyachiさんからお借りしました!)

 

一足先に着いてなら仏像館へ

あの日は奈良公園の芝生でどうにか鹿のフンを避けて逆立ちをしたらそのまま天地が本当にひっくり返って空へ向かって真っ逆さまに落ちていくんじゃないかというくらいの、文字どおり抜けるような晴天でした。ちょうど「関西文化の日」にあたったらしく、奈良国立博物館のなら仏像館が無料開放されていると聞いたので、朝から奈良入りをして仏像館を覗いてきました。

f:id:kutsune60:20191203204325j:image

この仏像館、奈良国立博物館の前身である旧帝国奈良博物館の建物が使われており、設計はあの片山東熊です。誰やねんという方もいるかと思うので雑に説明をすると、明治開国後の日本は富国強兵を掲げ、様々な技術力を高めようとしていました。建築レベルも引き上げるべくイギリスからジョサイアコンドルという外国人建築家(オーキド博士)を招き、その下についた弟子が東京駅で有名な辰野金吾(サトシ)とこの片山東熊(シゲル)です。

慶應大学に作品のある曽禰達蔵も同門の同級生ですが、この2人が1番有名な気がします。2人はライバルとして日本の建築界を高めていくのですが、僕が覚えた2人の弟子の作品が辰野金吾は赤っぽいの東京駅で片山東熊は緑っぽい旧帝国奈良博物館なので、勝手に僕はポケモンになぞらえたイメージを持っています。性格とか立場とか細かいことは考慮していないし、知りません…すみません…。

 

無料観覧日の午前中には西側の玄関が開放されると聞いて勇んでファサードを見にいったのですが、8年間も奈良に住んでいたのに扉が開いてるところは初めて見ました。いやー来てよかった、かっこよい。しかし改めてじっくり見るとなるほど、やっぱりぺらぺらです。明治期の日本人が作る西洋風建築は彫りが浅いというか、西欧と比べてぺらぺら感があります。片山東熊で言うと四谷の迎賓館とか東京国立博物館表慶館も同様です。これが当時の西洋風日本建築らしさである!と言えるくらいどこもそうなのでなんなら僕はそれが好きだったりするのですが。

 

あとヨーロッパなら紋章が入るんだろうなという図形の中央部分が空っぽのままになってるのも「何入れていいかわからんかったかなぁ」となるので見ていて飽きません。家紋とか入れといたらよかったんとちゃうん?f:id:kutsune60:20191203204352j:image


仏像館の中は撮影禁止であったので写真はありませんが、行ってよかったです。ざっと回るだけで、御顔と法衣の掘られ方で奈良時代の作か平安時代の作かがなんとなーく分かるようになりました。仏像だって製作者や作らせる側の立場からすればやっぱ流行りがあるわけで、建築や音楽と一緒なのかもしれません。書籍もネットもないのでその変遷や伝播が緩やかなだけで、ブームという概念は確実にありました。説明板とセットのいろんな時代の仏さまをずらっと並べて比べられる場所はそうないと思うので、是非いってみてください。


お昼ご飯は僕のツレである友人と合流し、東向き商店街の「釜粋」といううどん屋でお昼ご飯を食べました。こうツレとか言うと偉そうですが彼は僕の写真師匠の1人です。すこーし並びますがこの窯粋さんはシュッとした店構えとダシとコシで僕のお勧めのお店です。僕が高校生の頃には無かった気がしますが、お腹いっぱいにもしてくれるし、奈良に来ると食べちゃう名店です。やっぱ美味いなぁと一生懸命に食べてたら写真すら撮ってませんでした。f:id:kutsune60:20191209204234j:image(アクロス オン アクロス)

 

フォトウォーク開始

久しぶりの奈良にはしゃいで前置きが長くなっていますがやっと本編です。14時ちょうど、興福寺五重塔前の松の木の下からフォトウォークは始まりました。

f:id:kutsune60:20191203204508j:image(興福寺東金堂)

参加者の皆さまとは初対面のため、手がかりは首から提げられるかハンドストラップで巻かれているであろうX100シリーズしかありません。待ち合わせに指定された場所に行くと、それらしきカメラを持って円になってる集団を見つけました。改めてここで思ったのはみんなX100Fいろいろ触ってんなーということ。シルバーかブラックなのかだけではなく、ケースやレリーズボタンやテレコンまで、いろんな姿が見られて面白かったです。


ゆるっとした自己紹介をしたのち、東大寺へと歩きました。「奈良が初めて!」という方もいたのでやっぱり定番のコースでしょう。紅葉の盛りに絶好の行楽日和ということで、東大寺参道では人の渦の洗礼を受けました。奈良ってこんなに人来るんだっけ…?

f:id:kutsune60:20191203234456j:image

南大門の前では鹿タイムをとりました。ちなみに他の皆さんの写真を見ると鹿が何枚か入ってるのですが、僕はこの時の1枚だけ。奈良にいた期間、特にこの辺りをウロウロしていた高校時代に圧倒的な鹿耐性を身につけてしまった僕は鹿に感性をはたらかすことが出来ず、シャッターに指がかからなかったものと考えられます。僕的には駅前ロータリーにいるハトみたいなもんやからなぁ。あの頃は野良犬や猫の方がまだ珍しかった。笑

 

ちなみにこの東大寺南大門は大仏様(だいぶつよう)という建築様式でとても有名です。1番わかりやすい特徴はたくさんの貫(ぬき)で、梁に梁を通しまくって組みまくって強度を上げています。整然と材が互いに組み込まれまくっている様は圧巻ですので是非見てみてください。

大仏様は鎌倉時代の建築様式なのですが、平安末期に平氏に焼かれてしまった東大寺を再建した時に使われた様式が他にも広まって大仏様と呼ばれたという説があります。東大寺大仏殿は戦国時代にも焼けてしまっていますが、江戸時代に再建した時にこの大仏様を踏襲して再建されています。江戸時代の人々が鎌倉時代の建築を再建する時に、ちゃんと当時の様式を考えて再建しているというのが、偉いなというか昔もそういう意識ってあったんやなとしみじみ思います。


東大寺の鐘楼と三月堂(法華堂)

東大寺大仏殿から手向山神社に向かう参道の辺りの紅葉がとても綺麗で、ここでもたくさんの写真を撮っていました。本当に1番よい紅葉タイミングで開催されていたと思います。こんなに紅葉が綺麗な奈良を初めて見ました。f:id:kutsune60:20191203234427j:image

f:id:kutsune60:20191203234536j:image

f:id:kutsune60:20191203234540j:image

天気もよいし日没が綺麗だろうと二月堂へ向かいます。急に人が減って静かになり、この辺りの鹿はみんな表の方に比べてお腹を空かせているので鹿せんべいコールも多めです。奈良公園では手前の方で鹿せんべいをあまり消費せずに奥まで取っておくとめっちゃモテると思います。

それくださいそれくださいとお辞儀をすることで有名な奈良の鹿ですが、戦前からお辞儀をする鹿はいたそうです。あとしつこく絡まれたら両手をパーにして「もう無いよ!」と手のひらを見せてみてください。鹿って賢いんやなぁと思いますがたいてい諦めて帰って行きます。
f:id:kutsune60:20191203234531j:image

二月堂へと歩く道にも見所が2つあります。鐘楼と三月堂です。この鐘楼と三月堂は大仏殿から距離があったので平家の南都焼討の際にも延焼せずに残ったとのこと。戦国時代の大火の時は延焼した火をお坊さんたちで必死に消したそうです。あぁ、そういうの価値を感じます。どちらも国宝に指定されていて、人気もなくポツンとありますが激レア物件です。奈良や京都で育つとどうしても感覚が麻痺するのですが、国宝建築というものは日本中に227件しかありません。大仏殿も鐘楼も三月堂も正倉院も二月堂も国宝ですので、徒歩5分圏内で日本中の2パーセントが拝める場所なんてそうそうないです。

この鐘楼には鐘守という人々がいて、一族代々で鐘を守る仕事をしている人たちがいるとこの前テレビで見ました。先祖代々鐘を守っていく一族ってすごいな…。鐘も国宝でデカさゆえ倍音が豊かでヤバいと書いてあったので、今度は音を聴いてみたいです。

 

あと三月堂はもともと奈良時代からあった建物にもう1つ建物をくっつけているので、屋根や手すりに明らかに付け足しの跡があります。「つなぎ目がある」と思って見るとすぐわかると思うので見てみてください。あと堂内の仏様もめっちゃいいです。昔入ったことがあるのですが、絵が描けたらあのお堂の中に並ぶ仏様を描いてみたかったです。僕は絵はからきしダメですが。

 

二月堂からの夕日

なかなか辿りつきませんでしたがようやっと二月堂です。f:id:kutsune60:20191205224815j:image崖にせり出たお堂が美しいです。ここは生駒山に沈む夕日をバックに奈良盆地を一望できて、人も少なく穴場でめっちゃオススメです。…だったのですが、行ったらめちゃくちゃ人がいてびっくりしました。なんじゃこれ。f:id:kutsune60:20191205224650j:imagef:id:kutsune60:20191206095511j:image
f:id:kutsune60:20191206095515j:image
f:id:kutsune60:20191206095508j:image
f:id:kutsune60:20191206095518j:image

みんなで二月堂の手すりに並んで夕日を見る様子はそれはそれでよかったんですが、なんかもっと少ない人の中で山際に消えゆく夕日を眺める緩やかな時間が過ぎていくみたいな場所だったので驚きました。SNSの発信もあって穴場というものがなくなっていくねという話をしたりしましたが、ほんまにそうかもしれません。美瑛の青い池なんかも前は穴場だったそうですが、今では観光バスの駐車場までありますからね…。

3,4年前に来た時にNikonの一眼レフで夕焼けを撮った写真を探し出しましたが、やっぱ人の数が違いますね。
f:id:kutsune60:20191205223803j:image

 

それでも二月堂はやっぱり眺めもいいし石段も綺麗だし、裏参道は石畳で美しいので勧めます。二月堂の外れでたけしさんがずっと持っていた団子を食べました。前に妻に勧められた近奈良(近鉄奈良駅)の「たまうさぎ」だと思って頂いたのですがよく読むと違うみたいで、いま調べたら近奈良のたまうさぎは「だんご庄」というお店と姉妹店だそうで、これはそこの団子だった気がします。美味しい。

f:id:kutsune60:20191206095657j:image(1本の団子を分け合う主催夫婦に向けられるX100Fの群れ)

 

写真おまけ

X100Fで撮ったものではないのですが、当日持って行っていたフィルムカメラの写真を現像したので追加しておきます。二眼レフFUJIFILMのPro160とFM3AにAcross100を詰めていったやつです。

美しい紅葉なのに白黒フィルムを詰めて行ってしまったのには最初は後悔していましたが、現像した写真を見て階調表現の素晴らしさに泣いたのでこれはこれでよかったですね。

f:id:kutsune60:20200111204123j:image
f:id:kutsune60:20200111204155j:image
f:id:kutsune60:20200111204135j:image
f:id:kutsune60:20200111204126j:image
f:id:kutsune60:20200111204147j:image
f:id:kutsune60:20200111204144j:image
f:id:kutsune60:20200111204157j:image
f:id:kutsune60:20200111204132j:image
f:id:kutsune60:20200111204138j:image
f:id:kutsune60:20200111204141j:image
f:id:kutsune60:20200111204152j:image
f:id:kutsune60:20200111204129j:image

 

それからミノルタオートコード×FUJIFILMのPro160です。ほんと中判フィルムの写りは魔物。

f:id:kutsune60:20200111204419j:image
f:id:kutsune60:20200111204424j:image
f:id:kutsune60:20200111204430j:image
f:id:kutsune60:20200111204414j:image
f:id:kutsune60:20200111204433j:image

 

打ち上げはスパイスカレーで

全行程を終えたあと、Miyachiさんが予約してくれていた「タリカロ」というならまちにあるスパイクカレー屋に行きました。「ガチなところなので!」と聞いていたのでとても楽しみにしていましたが、なるほどガチでした。4種のカレーをライスにかけていって食べるスタイルなのですが、右から数えて3つ目と4つ目のカレーのカーラいことカラいこと。書きながら急に舌と喉が痺れる感覚が蘇ってきました。

ミックスさせていい具合に食べてね!という趣旨なのだとは思いますが、どれも辛いのに美味しいという状況がありスプーンを繰り出さずにはいられない。けれどやっぱり辛い。でも食べたいみたいなジレンマが全員にあったと思います。

ラッシーをがんがん頼みながらスプーンは進み、キャーキャー言いながら食べ終えました。たぶん我々はやかましかったと思います、すみません。あともはやカレーを食べること自体がエンターテイメントすぎて、ランチに続いてここでも写真を撮ることを忘れてました。まぁ美味しく楽しかったということで。

 

フォトウォークまとめ

いろんな方がいるフォトウォークなるものに参加したのは初めてでしたが、とてもよかったです。当日もいろんな話ができましたし、後日あがってくる素晴らしい写真を見て「え…同じカメラだよね…」とたまげるのも含めて経験になりました。

 

また遊びに行きたいです。主催のMiyachiさんはじめharenohiの皆さま本当にありがとうございました。たけしさんは他のブロガーの方の記事でよくお見かけしていたので、有名人にあった気分で嬉しく妙な感じがしました。なんか奈良の話ばかりしてしまいましたが、これにて完とさせていただきます。

 

映画「イエスタデイ」をみた話

Beatlesがいないというif

公開中の映画「イエスタデイ」を観ました。f:id:kutsune60:20191028192437j:image

もしビートルズがいない世界だったらというifをテーマにした娯楽映画です。ちょっとショッキングな出来事のあと現実から逃げるために行ったのですが、楽しい映画でよかったです。妙な気を起こして「ジョーカー」とか観なくてほんとによかった。


あんまりネタバレはせずに書こうと思ってるので手短にしますが、楽に観るのがいいと思います。ビートルマニアがこの映画を楽しむコツは肩の力を抜くことです。


「いやシャウト出てないやないかい!」「いやココそうしてしまうんかい!」みたいなのは思わずにみるのがよいですね。去年バカ受けしたクイーンとボヘミアンラプソディみたいなのを期待していくのは最初から間違いです。これは音楽映画ではなく、伝記風映画ですらなく、ビートルズが題材になったただのラブコメなのです。

なのでビートルズビートルズと張り切って行くと微妙な気持ちで帰ることになるかもしれません。なんでそこはこんなに凝ってるのにここはこんなに適当なんだろうみたいな事を思ってしまいますが、それは1人でモップ頭を振り回して暴れているだけです。

 

逆にこれはただの娯楽映画だと割り切っていくと、途端に「ラブコメなのにこんなに凝ってるのか!すげえ!」というプラス評価になります。なるほどミニクーパーか。セリフも歌詞をこすっていてニヤリとできるね。ハードデイズナイトもっかい観たくなるな。コーラもそうなるのか。おぉちゃんと裸足じゃん!などなど…。

ちなみに音はそんなによくないと思いました。IMAXドルビーアトモスで観るほど音にこだわった作品ではないんじゃないかな。まぁ気にしてる人ほとんどいないと思いますが。


最後に1つだけ。この作品のクライマックスは最終盤のある静かなシーンだというのは全員一致だと思います。ウェンブリースタジアムでのライブじゃありません。主人公の恋の行方でもなかった。きゃりーぱみゅぱみゅTwitterでそのシーンのセリフに触れていましたが、あそこは本当によかった。僕は勝手に泣きました。なんと優しく素敵なifなのかと。とても愛のあるifです。


あと僕は線路そばの小さなスタジオでの録音がとても楽しそうで好きでした。

興味あるな〜という方は、ぜひ。

Beatlesモノラルステレオ比較④

Beatles For Sale【1964】

f:id:kutsune60:20191024215837j:image

先日から「YESTERDAY」というビートルズオマージュの映画が公開されてますね。ファンの喜ぶ小ネタ満載と聞いたので、観たいなと思ってます。遊び心なオマージュものなのでバンドの半生を!とかいう伝記映画より純粋に楽しそうな気がします。

書きたい書きたいと思いつつ書けないこの企画。まだ4枚目です。ビートルズフォーセール。

 

書かなきゃ!と思っている理由はもっぱらこの前のAbbeyRoad50周年記念リマスターの発売です。買ったらその感動を書きたいじゃないですか。もちろんラストアルバムまでまだまだあるので間に合わないのですが、気分としてはそんな感じです。

 

さて、4枚目のBeatles For Saleですが、どういう印象をお持ちでしょうか。地味、という方もいるかもしれません。なんせカバー曲が多いです。1964年のクリスマス商戦に向けて発売されたこのアルバムは準備期間が短いんだろうなということがちょいちょいと感じられる1枚です。前述したカバー曲の件もそうだし、ジャケット写真が冬というのもそうです。撮ってすぐに使ってるんとちゃいますやろうか。ニューヨークのセントラルパークでツアーの合間かなんかに撮られた写真は寒そうで、なんとなく、くたびれた感じも見受けられます。僕は毎年寒くなってくるとこのアルバムが聴きたくなります。

 

どっこい、そんなBeatles For Saleは実は僕の大変なお気に入りアルバムであります。ビートルズにハマった当初、アルバム単位ではこれが1番好きでした。特にEvery little thingが好きだった。ビートルズを教えてくれた叔父にそれを伝えたら渋すぎ…!と言われて、それが小学生ながらに嬉しかったのを覚えています。

でもいいですよねフォーセール。最初の3曲とかポップなのに歌詞が暗くて最高です。どれもアイドルにしては暗い歌詞です。返事はないし僕は負け犬だし気になるあの子は他の男子のことで憔悴中です。I'm a Loserだなんて全世界席巻中のスターが言うことではありません。Help!に繋がるジョンのダウナー面が表れてるとか聞きますが、確かにそうかもしれません。

 

それでは前置きが長くなりましたが、デジタル音源として世に出ている1987モノラル、2009ステレオ、2009モノラルを比べてみたいと思います。

 

・2009ステレオのクリアさが◎

フォーセールは少し迷いました。

まず昔よく聞いていた1987音源が心地良くて安心感がありました。まず1987音源がモノラルだったということに2009年のステレオ音源を聴いて初めて気づいた私ですが、その愛着のまま1987モノラルもオススメします。ボーカルが前に出ていて聴きやすく、バランスもよい印象です。

一方の2009モノラルもけっこう好きでした。1987よりボーカルが引っ込んでモコモコしてしまった感はありますが、音が質感豊かで滑らかになりました。今まで4枚を聞いてきましたが2009モノラルは全般的にモコモコ寄りですね。モノラルで言うとLPボックスセットのカッティングの方が圧倒的によいそうですが、僕も同感です。まぁ1987モノはすこし粗雑な感じもあったので、音の質感を大事にしたいなら2009モノも良さそうです。いいスピーカーで聞けるなら映えそう。

さて◎を付けた2009ステレオですが、万人には薦められないかもしれません。他の2つと比べて抜きん出てクリアでハッキリした音像です。クッキリ最高!な人には良いと思いますが、僕はモノラルの感じに慣れていたので最初に聴いた時はそれはもうびっくりしました。こんなのフォーセールじゃないぞ…という感想さえありました。でも同時に、めっちゃ楽しかったのも事実です。今までは聞こえてなかったパートがたくさん聴こえました。No Replyには八分音符で鍵盤が入ってたのか!とかHey Hey Hey Hey!にこんなリフあったのか!とか。知らない発見がたくさんありました。昔のCDを聴いてきた人はいろんな気づきを得られると思うので必聴です。

 

ステレオ音源を聴いて初めて気づいたのはRock and roll musicでピアノが途中でぱたりと消えるタイミングがあることでした。1:45秒過ぎでピアノが突然いなくなるのですが、これには今まで気付いていませんでした。聴いてる時に何かが足りなくなったというか、違和感を覚えて聞き返してみた時には「ステレオはピアノが途中で抜けてる…!」と思ったのですが、モノラル音源を聴いても同じところでピアノがいなくなっているように聞こえます。単に分離がよくて聞こえてしまった結果なのかなと思いますが、ピアノの聞こえ方は聞き比べとしても面白いと思います。

 

他にもステレオはMr.Moonlightや Kansas City/ Hey Hey Hey Hey!のフェードアウトが若干遅いです。

興味が湧いた方は、ぜひ!

 

 

OneMusicCamp2019録

今年もOneMusicCampに行った話

f:id:kutsune60:20190905211534j:image

月日の流れは早く、あんなに楽しかった2日間も2週間前になってしまいました。でも、落ち着いて書けるかなと前向きにとらえて筆を取りました、夏の終わりに行った夏フェスの話です。

 

・毎年恒例のキャンプフェス@三田

One Music Campは兵庫県三田市の山奥で行われているキャンプフェスです。大学を卒業して兵庫県民になってから毎年通っています。ここに書くのは初めてなのですが、僕はもうこのフェスには今年で5年連続の5回目です。今年が10周年だったみたいなのでもう半分を行き続けてることになるんですね、これはシンプルに驚き。行き始めてもうそんな経つのか…。

あとおめでとう10周年。続けるって、偉い。すごい。

5年目ともなればもう準備は慣れたもので、チケットが発売されたらチケットを取り、レンタルテントの手配をして、レンタカーを取ります。もはや自動的に体が動く。「行かない」という選択肢はなく、惰性で毎年行き続けています。

最近はシャトルバスが出たり、ホテル泊付きプランが出来たりと手段も充実してきていてそっちの方が楽で安いんじゃね?とか思いつつも、慣れた手順と何よりキャンプ拠点でのゆるい時間が好きで変えられません。毎年テントを借りてるので、とっくにテントを買った方が安い分岐点は過ぎてるのですが、持ち運びや置き場所が面倒でここまで来てしまいました。もったいない。けど、まぁこのままズルズル行くんやろなぁ。

とてもお洒落なテントやタープを張って拠点を作り込んでいる方々もいて、カッコいいなと思いつつも、必要最低限のテントとタープで毎年参加しています。お洒落なキャンパー達が増える中、キャンプ映えに貢献していなくて申し訳ない。

f:id:kutsune60:20190905194654j:imagef:id:kutsune60:20190905194731j:imagef:id:kutsune60:20190905210607j:image

さっき「惰性で」と書きましたが、このフェスは個人的には大事なというか感慨深いフェスです。意味もなく行っているという意味ではなくて、摩擦ゼロの等速直線運動で毎年同じ勢いを保って行き続けているという意味ですね。

個人的にいっときちょっとつらかった時期、たまたまこのフェスで積極的に遊びを自分で企画して遊ぶということが閉塞感を打破してくれました。ストレス発散には全力で土日は遊ばないといけないタイプだとその時気づきました。その年に何を目当てにONEを見つけて、何を通じてその気づきを得たのかもうよくわからないですが、とにかく「遊んで発散!」という自分の特性を教えてくれたのがONEだったのです。これがたぶん僕がOneMusicCampを大事にしている理由ですかね。

 

・何を聴くのだ

今年の僕の動線はこんな感じでした。

Day1: BAGDAD CAFE THE trench town

Lainy J Groove→ドミコ→

七尾旅人曽我部恵一

 

Day2: DSPS→eastern youth

 

こう書くと全然観てないなって感じなのですが、テント拠点の位置的にメインステージの音楽はよく聞こえるので、テントの中でうたた寝しながら聴くという最高な環境で聴いたアーティストがたくさんいます。わざわざ行かない。これがまたええんよな〜。

観た中で印象的だったのは、まずは曽我部恵一。ほんとソカベが優勝しました。初めてソカベを観たのもONEでしたが、その時に聴いた1曲が個人的にその夏を表す曲となり、もとい僕の“夏”を表す曲となりました。その曲を今年もやってくれました。またONEで聴けて歓喜。その上、去年友人たちが僕の結婚式に雑誌を作ってくれたのですが、そのテーマになっている曲までやられてしまいました。当日その歌い出しで頭を抱えて悶えていたのは私です。ありがとう夏。

七尾旅人はエモかったですね。さっき出てきた雑誌を作ってくれた友人たちと毎年仲間内で小さなイベントをやっているのですが、そのテーマ曲をやってくれました。おかげで初めて生ローリンができました。ありがとう三田。

思いがけずハマったのがDSPS。台湾のバンドで、音楽を始めたきっかけがスーパーカーだったという由来を聞いて予習した時に割と気に入って観に行ったのですが、ほんとよかった。この夏イチの収穫でした。ベースのアレンジめちゃええやん。帰ってからもずっと聴いてました。ありがとうONE 。

f:id:kutsune60:20190905194542j:image

・何が素敵なのだ

それにしても、ONEはいいフェスだと思います。最近は毎年森道市場に通ったりカミコベに突っ込んだりと他のフェスに行ったりもしていますが、ONEに来るとやっぱコレだな〜と僕はなります。きっとこれはホームフェス。

f:id:kutsune60:20190905194909j:image

魅力を表していくとこんな感じかな。

ゆるい / 人が少ない / アーティストとの距離がくそ近い / なんなら運営との距離も近い

ゆるさゆえか、めっちゃ子供も多いです。音楽は置いといて普通に遊びに走り回っているのがとてもよいです。そりゃキャンプするだけで楽しいもんね。子供たちは遊んでるし親たちは仲間で来て音楽を聴きながらビールを飲んで、みたいなこんな光景を勝手に想像しています。そうやって家族連れで来られるフェス、ええやん?

ファミリーで来られるとかアーティストが近いとかは全て人の少なさに起因していると僕は思っています。今年も満員と聞いてましたが、後日地元紙を読んだら来場者は3,000人もいないようです。少ないように聞こえますがキャパとしてはほぼパンパンで、もうあれ以上は入らないんじゃないかと思います。てか入れないでほしい笑。

テントが所狭しと並び、地面に貼られたロープに引っかからないように歩くのは、センサーが張り巡らされた美術館に忍び込むルパン三世の気分でした。さっきまで通れた道にテントが立って入れなくなってたり、年々人は増えて会場は窮屈になってきた気がします。5年前とかもっと楽に動けたんですけどね。

f:id:kutsune60:20190905211350j:image

もちろん、ちゃんと人が来て利益も出るというのが存続の条件だと思うのでこれからも頑張ってほしいと思っていますけどね。高槻ジャズストリートなんかは人が集まらなくなってきて悩んでるとかボヤいているそうなので。頑張れただ資本消費的なだけではない音楽イベント!

 

キャパの関係で人が少なく、キャンプだけして満足しちゃってる人とかもいるので、アーティストとの距離も近いです。そのゆるさが好き。今年も曽我部恵一がこの距離にいる!ってそれだけで泣けました。もはや会話のできる距離。これ知り合いの距離やんって近さですよ。

メインステージであっても少し離れれば座って聴けます。確かにテント拠点で飲んだり喋ったり寝たりしてるとそれだけで最高で、行こうかなと思ってたらアーティストは遠耳に聞こゆる音で満足してしまうみたいなのもあります。普通にいい音で聞こえてくるしね。

f:id:kutsune60:20190905203809j:imagef:id:kutsune60:20190905211237j:image

・なんか今年は楽しかった

今年で5年目の参加でしたが、今年はなんやかとても楽しかったです。これは一緒に行ったメンツのおかげかな。一緒にONEに来続けて5年になる盟友と初参加の2人という男4人でしたが、濃くて楽しかったです。

去年は学生時代のバンドサークルの後輩が演者で来ていたり、その前はPAにゼミの友人がいたりとサプライズがあったりしてそれも楽しかったのですが、そんなイベントが無くても楽しかった。あと、運営の方々の「10周年イヤーや!2daysなんや!」みたいな気概もあったのかもしれないですね。そういうの好きです。笑

 

去年は究極にダラダラとして、カメラを持って行くもほとんど写真を撮らないという年にしてしまったので、今年はちょっと時間をとって写真を撮りました。今年はフィルムは持ち込まず、X100Fのスナップばかりでしたがそれも楽しかったな。カメラを持ってウロウロするので、自然とフェス専属のカメラマンスタッフさん達と似た動きをする瞬間があるのですが、このカメラスタッフさん毎年やってはるな、覚えてるなと思ったり。

f:id:kutsune60:20190905194841j:image
f:id:kutsune60:20190905194845j:image
f:id:kutsune60:20190905194836j:imagef:id:kutsune60:20190905210547j:image

それはそうと、今年は10周年ということで2days開催になりました。ファンとしてはフツー喜ぶべきなのでしょうが、レンタカーを返さなきゃならないし月曜から仕事という面々にとってはあんまり喜べなかったですね…。

例年は1日目の夜に大トリがあり、翌日は起きて朝飯でも作ってコーヒーを淹れて、音楽をかけたりギターを弾いたりしながらゆるゆると片付けをして正午までに会場を出て、有馬温泉に寄って帰るというイベントだったのです。それが2daysになったことにより、観られなかったアーティストが急に出来てしまいました。まぁ個人的な事情ですがね。

奇妙礼太郎くるりも観てみたかったな。来年からは2daysが定着するのかな〜なんて気がしていますが、1days開催でも喜ぶ人がいるで!とここで小さな声でアピールしておきます。笑

 

来年も来られる限りは来たいですね。もし家族が増えたら一緒に来たいなとか思ってますが、まぁこればかりは自分の都合でいかないですからね…。でも会場のファミリーを見ていると今年もそう思いました。

 

あとせっかくプールあるし、森道市場がやったテントサウナをONEもやってください!とサウナーはリクエストしておきます。

また来年も遊びにいきます!

森道市場2019録②

3度目の森道市場

f:id:kutsune60:20190711182602j:image

森道市場2019録①は既に書きましたが、SaunaCampの話をしてたらそれだけで終わってしまいました。そのくらい素晴らしかったし、個人的には今年の森道市場ってつまりサウナだったよねという話に他ならないのですが、ちゃんとメインストリームの音楽の話もしたいと思います。

 

というか去年の森道市場の投稿がこの5本くらい前なので、年間でそれくらいしか書いてないんですね、僕。まぁそれでもいいかと思ってはいますが。

 

何を聴くのだ

音楽が好きで行き始めた森道市場ですが、今年は去年よりもさらに力を抜いて観られました。去年も似たようなことを書いた記憶があるので、輪をかけてぜんぜん頑張らなかったのでしょうね。大人になったなというか、歳を取ったなというか。

その意味で言うと今年は3日目にクリープハイプが出演していたので、日曜日の客層が明らかに青くて若くて面白かったですね。去年のアジカンの時もライブキッズが増えたなとか思いましたが、クリープハイプの方が顕著だった気がします。雨にも負けずヤングにライブへ参加していて羨ましかったです。君はロックなんて聞かないことはないだろうなという尾崎さんの声が響くなか、僕は屋根の下で雨が止むことを願いながらタコ無しのタコ焼きを食べていました。

 

僕の「何を聴いたのだ」は以下のとおりです。

f:id:kutsune60:20190711182635j:image

1日目:ダサい曲をかけるパーティ、NF山口一朗

サウナに入り浸ってたら1日が終わっていました。世武裕子をはじめ、サウナエリアから聴いていたアーティストもいたのですが、サウナ外で服を着てちゃんと聴いたのはフィナーレだけでした。恐るべし森道市場テントサウナ。サウナの話は森道市場2019録①に散々書いたので割愛しますね。

 

あと我らが大阪は谷町の有名店、妻もお気に入りの飲食店である「台風飯店」からDJ sonodaがダサい曲をかけるパーティに出ていたので見に行きました。これがめっちゃ楽しかったです。関西発のイベントらしく友人のSNSなんかで見ていて楽しそうやなぁとは思ってたのですが、納得のダサさで本当に楽しかったです。次があればまた行きたい。

ついでにもちろんその台風飯店でご飯を食べました。ヤンガオという名古屋のカレー屋さんとタッグ出店していて、ヤンガオのカレーが土日は並び過ぎでとても食べられる状態でなかったので、この日食べてられてよかったです。ヤンガオも行列だけあって美味しいカレーだったのですが、台風飯店の伴麺が美味しくて美味しくてたまりませんでした。個人的には森道市場2019で食べたもので1番美味しかったです。気付いたら金土日と1回ずつ、全部で3食も食べてた。汁ありのラーメンも食べましたが断然汁なしの伴麺がおススメでした。レギュラーメニューに加えてくれんやろうか…。尋ねてみたら森道限定です!と言われたのだけど、ここで小さな声で再リクエストしておきます。

f:id:kutsune60:20190711182710j:image
f:id:kutsune60:20190711182705j:image

2日目:拍謝少年、chara吉澤嘉代子tofubeats

今年の森道で1番天気がよかったのは土曜日でした。この日のサウナエリアは本当に最高でした。まともに観たのが4アーティストというあたり、振り返るにこの日もサウナにけっこうな時間いたのだと思います。あとは中村一義を100℃超えのサウナ室内→晴天のプール水風呂のコンボの中で聴いていたのですが、楽しかったなー。サウナにはインストかメロウな曲かと思っていたのですが、ロックもいけるやんと思いました。

 

charaは多幸感に満ちていました。ステージのはるか後ろでレジャーシートをひいて聴いていたのですが、フェスに繰り出される名曲の数々に気持ちよくなってました。一昨年は観てなかったので今年はみられてよかった!ベースが学生時代のサークルを通して知っていた人でびっくりしました。すげーなぁ。みんな世に出ていくんやなぁ。

あと楽しかったのはtofu先生ですね。夜の遊園地ステージでぶち上がりました。新曲を聴きこんで行ってたので聴けてよかったです。

f:id:kutsune60:20190711183021j:image
f:id:kutsune60:20190711183035j:image
f:id:kutsune60:20190711183051j:image

写真もこの日撮ったのがいちばん良かったです。夕焼けは拝めませんでしたが、日が綺麗に暮れていき、明るさが減っていく時間がたまらなかったです。ちなみに3日間で撮った写真で個人的にいちばん好きだったのが朝にホテルのラウンジから撮った豊橋駅の写真でした。

f:id:kutsune60:20190711182928j:image

フェスに来といてフェス会場の写真じゃないのかよとも思いましたが、5月の晴れの日をかっ飛ばしていく新幹線がお気に入りです。
f:id:kutsune60:20190711182916j:image

3日目:シャムキャッツ、iri、青葉市子、Yogee  New Waves、アイリッシュミュージックパーティ、カネコアヤノ

この日が1番音楽フェス感がありました。サウナエリアで水着を着ることはなく、ずっと洋服を着てアーティストを巡りました。アーティストとして個人的に1番目玉だったカネコアヤノがいたので、音楽的に楽しみな日でした。

 

シャムキャッツは間に合わず、遠くから聞こえてくるのをひろっただけでしたがらModelをやってくれてたから嬉しかったかな。

iriは今回の森道で好きになったアーティストNo.1でした。名前を知らなかったのだけど友人たちにすごく良いから行こうと勧められて聴いたのですが、知ってる曲めっちゃありました。サブスクで聴いてたんやと思います。帰ってからもよく聴いてるので、1番の収穫だったかなと思います。

青葉市子は生で初めて観たのですが圧倒的に生がよいですね。あの西洋12音階じゃない感じ。ハーフトーン、って言うともうドレミファに縛られちゃってるのですが、その半端な音程にメロメロでした。音源より断然こっちの方が好き。

Yogee New Wavesはもっとエモい感じの聴き心地になるかと思ってたんですが、楽しいハッピーな感じになりました。僕が好きなのは1stアルバムなんですが、その頃よりカリブ感が増して陽気な感じになってる気がしました。やっぱキューバにずっといたらこうなるのかな…。

 

アイリッシュミュージックパーティは安定的に楽しかったんですが、やっぱり雨が降りました。しかもまぁまぁ降ったかな。もう3年連続で降られてるので、ハイハイという感じではありましたが、やっぱり盛り下がってしまいますね。避難場所を探してさまよい、テントの下でご飯が食べられるお店を見つけてそこに入り浸っていました。そこではタコ焼きが提供されていたのですがもうタコ切れになったらしく、中身が無いこなもん焼きが「虚無焼き」として売り出されていました。ガラムマサラとかスパイスがかかっていてけっこう美味しかったです。

f:id:kutsune60:20190711183344j:image

THExxxxxxでキャーキャー上がる黄色い歓声を覗いたあと、帰路につく東京からの友人達と別れました。まだすこし雨も降っていたのですが、カネコアヤノを観ずには帰れず、初の1人森道市場です。意地で残った夕方でしたが、今年のミラクルはここからでした。トイレに並んでたら、何故か知ってる顔の方がいました。最初はなんで顔を見たことがあるのか分からず、人違いかなとか思ってました。でもふと思い出したのが去年くらいにめっちゃ読んでたブログ主の奥様。その方はブログ写真にスナップモデルとして奥様をよく撮っていて、過去のブログで顔を確認した上で声をかけてみました。

よくそんなことしたなと今は思いますが、そのくらい一時期読んでたんです。ファンだったと言ってもよい。というのも僕は新婚旅行でイタリアに行ったのですが、どんな写真撮ろうかな〜とイタリア旅行の写真ブログを見て回るうちに見つけたその方のイタリアハネムーン記事がめっちゃ好きだったんですよね。たくちゃそさん。フジフイルムのX100Fがこれ以来ずっと欲しいです。https://www.takchaso.com/Italy-diary

で、勇気を出して声をかけてみた結果、テントに招き入れてもらい話をするという光栄に預かりました。初対面やったんですが、学生時代にめっちゃお世話になった先輩にどことなーくながら完全に雰囲気が似ていて、初対面の感じがしませんでした。僕が勝手に親近感おぼえてるだけなんですが、今年の森道イチのミラクルでした!話をしてるうちにカネコアヤノが始まってしまったんですがたくちゃそさんと一緒にダッシュでカネコアヤノを観たり、ウインドミルをして見せたカネコアヤノにテンションが上がり歩きながらピートタウンゼントの話をしたりと、めっちゃよかったです。うんめっちゃよかった。嬉しかったな。

 

帰りは大阪までずっと1人だったのですが、サウナ、音楽、美味しいご飯、懐かしい顔に会えた喜びから新しい人と話ができた嬉しさまで、ひとそろいの幸福で余韻が半端なかったです。

 

チケットを取る時はもう最後でいいかなとか思ってたんですが、また来年も行っちゃう気がするなというところで、森道市場録2019を締めたいと思います。

 

森道市場2019録①

3度目の森道市場

f:id:kutsune60:20190613145618j:image

今年も行ってきました、森道市場。

梅雨入り前、毎年5月の気持ちがいい時期に愛知県は蒲郡にて開催される音楽フェスです。3年連続で雨も降ってますが、それでも今年も楽しかったです。音楽フェスじゃなくてあくまで市場だから!という主催のコンセプトはいいですね。

 

友達とサウナが持っていった3日間

僕は今年、「人に会う」ことが森道市場の目的になりつつあるなと感じました。互いに音楽目的なのはもちろんなのだけど、毎年森道ではたくさんの友人に会います。僕は学生時代を東京で過ごしたあと関西にUターン就職したので、東京にたくさん友人がいます。彼らと会える音楽フェスとして地理的に森道はぴったりです。ここで毎年会う友人が出てきてしまって、なんかもう抜けられない感じがあるのが有り難い限りです。

 

そして何より、僕の今年の目的はNight FishingプレゼンツのSaunaCampにありました。後述しますが、このためだけに蒲郡まで行ったと言っても過言ではありません。いやほんとに。f:id:kutsune60:20190613145710j:image

先に言いますが音楽フェスの感想なのにこの森道市場2019録①はほぼSaunaCampの話しかしません。

 

そんなわけで、音楽は何よりも好物なつもりですが、もはやそれが無くても今年に関しては満足していたと思います。フェスキッズ卒業でした。そもそもキッズな歳ではないですが。

 

僕のサウナ元年

サウナキャンプが何かという話をする前に、まずサウナの話をさせてください。僕が最近ジュージューとハマりつつあるサウナの話。

 

僕のサウナというものの認知は2019年にガラリと変わりました。僕の暦の上では2019年は平成31年と令和元年とサウナ元年です。それまでは暑さに満ちた汗ばんだ空間としか思っておらず、中の人たちは何をしてるんだろうとずっと不思議に思っていました。単なる汗かきデトックスかなとか思ってました。

 

サウナの何がいいのか

きっかけはウチにある友人が来た時、彼が最近狂っているというサウナについてアツいプレゼンをしたことです。彼がそのディープリラックス感と快楽性と作法とをあまりにも活き活きと語るもんだから、ちょっと興味が湧いたんです。

 

まず全体のお作法と、個々人の方法が両方あるのがいいなと思いました。マナーを守りつつ基本から始めて、自分のやり方を見つけていくというのは趣味性が高くて面白そうです。「ととのう」「羽衣」「あまみ」など用語がいっぱいあるのも楽しそうでした。

※ととのう:たぶんサウナ用語。快楽物質が回り気持ちよくなって得られるリラックス感。たぶん。

 

あと快楽物質についても興味がありました。昔、椎名林檎モルヒネを聞いてドーパミンやエンドルフィンを知り、お酒とよい音楽とよい空間をかけ合わせたときの後頭部中央奥くらいの気持ちよさがそれなんじゃないかと思っていた経緯から、あれが操れるなら是非やりたいと思い参入しました。

 

出張先の北海道でサウナ付きのホテルに泊まってみて、サウナ→水風呂→外気浴と、友人に習ったとおりに3セットをやってみました。1セット目をなるほどこんなもんかと終えて続けた2セット目。これが僕のサウナーへの扉を開いてしまいました。間接照明のほの暗さとビジネスホテルぽくないアンビエント音楽、独り占めした水風呂と冬の北海道の冷たい外気浴が効き、世界が回り始めて、椅子の上で笑いが止まらなくなるくらいにととのってしまってました。座ってる椅子の脚が床から離れて北の大地がフワフワと自分から離れて広がっていく、そんな感じでした。

これ以後、出先のホテルはなるべくサウナ付きのところを選ぶようになり、サウナの楽しみに沈みつつ、今にいたっています。

 

森道市場×SaunaCamp

森道市場ではサカナクション率いるNight Fishingが毎年なにかしらのイベントをやっています。去年は食事を作る音をサンプリングして音楽にする「Eat Beat」とコラボしてました。

 

このコラボが今年はSaunaCampだったのです。ちょうど行くつもりだった森道市場に興味のあったSaunaCampが来るということで、嬉々としてチケットを取りました。土日は鬼のように混むんじゃね?という懸念から金曜から日曜までの3日間で参戦しました。金曜ならサウナを堪能できるだろうという考えです。いま思うと凄まじいモチベーション。f:id:kutsune60:20190613145831j:image

それでSaunaCampの実はどうだったのかと言うと、控えめに言って最高でした。野外フェスでサウナ体験が出来るよう、断熱テント内に薪ストーブを入れてその上にサウナストーンを置いてサウナー各位を熱し、水風呂代わりに遊園地のプールにintoできる完璧なシステムが森道市場にはありました。

f:id:kutsune60:20190613150343j:image

サウナエリアはステージ後方の正面だったので生演奏が聴けるし、転換中にはプール両翼に設置されたスピーカーからサウナ用プレイリストが流されるという天国具合。水風呂がぬるめだったのにも関わらずバキバキに整いました。音楽との親和性がありすぎました。あんなんあかんやろー。僕調べで音楽が好きな人はサウナにハマりやすいという言説があるのですが、やっぱり本当だと思います。快楽を覚える脳の部位が似てるんじゃないかな。

 

しかも10棟あるテントにはどれも異なるアロマ水が用意されていて、どの匂いも最高でした。ユーカリ、ミント、はちみつレモン、薪スモーク、ローズマリー、生ヴィヒタあたりが印象的だったかな。特に生ヴィヒタ、超楽しかったです。セルフロウリュ(熱したストーンに自分で水をかけて温度を上げること)も可能で、個人の裁量で温度を調節でき、洒落た匂いも好きに浴びることができました。

f:id:kutsune60:20190613150513j:image

1日にやっても3セットだった僕がその日は8セットくらいやりました。すごかった。まじ魔物。金曜は「せっかくだから人の少ない森道市場で写真を撮ろう」とも思っていたのですが、昼間に着いたのに気づいたら20時過ぎで、サウナ以外何も出来ませんでした。笑

f:id:kutsune60:20190613150435j:image

夜のサウナエリアは照明がとても美しく、水風呂であるプールの水かさも上がってきて冷たくなり、ととのい環境としての威力が増していたことも離れられなかった理由だったかなと思います。最後に金曜のフィナーレだけ見ました。まぁNFが目当てだったのですから、これでもう大満足でした。f:id:kutsune60:20190613150035j:image

ちょっと考察。SaunaCamp!

この日、一緒に行った友人がサウナに開眼していました。サウナの師が共通の友人であり、100度近いあの熱いプレゼンを一緒に聞いてはいたのですが、森道市場前はたぶん彼と僕にはサウナ室の1段目〜2段目くらいの温度差がありました。「サウナいいよね〜」という言葉への熱の入りようは違ったと思います。それがどうでしょうか。何回目だったかの外気浴後にこちらは歩いてくる友人の晴れ上がった顔を見て「あぁ君も扉を開いたのか」と思いました。紛れもなく真理を見た顔をしていました。これにて2人してめでたく人柱候補です。

 

帰り道、2人でサウナキャンプの何が楽しかったのかを話しました。巷のサウナにはないグルーヴがあの日のSaunaCampにはあったと思います。僕らはホテルに帰っても侃侃諤諤とその良さを話し合っていました。

 

・音楽がいい

もはや自明のことですが、やっぱ音楽は良かった。最高でした。合います。音楽とサウナは文句なしに合います。個人的には楽しい思い出があるVIDEO TAPE MUSICのSpeakLowという曲がかかったタイミングが絶頂でした。ありがとうDJ、ナイス選曲。あとジャンルとしてダブはくっそととのいましたね。合うんやと思います。

・場所がいい

これも言わずもがなですが、ロケーションが最高でした。水風呂がプールという解放感。浅いけれど、ひーろいのです。もちろん泳げます。バタフライ以外はやりましたね。しかも外気浴スペースはプールサイドなわけで、椅子に座ってもよし、そのまま地面に寝転んでもよしで、自由度がたまりませんでした。

・人がいい

この辺から特筆点です。あの3日間のサウナエリアの高ぶりは、参加者との共鳴にあった気がします。みんなサウナが好きで来ているという連帯感です。NF×SaunaCampは界隈では相当な話題でしたが、フェスに来ていた全員からするとまったくのマイノリティでした。「テントの中でなんかやってるよ…?」と覗き込むだけの来場者が9割9分だと思います。

そんな中でサウナが好きな人が全国から集まっているわけで、スタッフもみんなサウナ好きなわけで、話が弾まないわけがありません。師によるとサウナ界で有名な人も多くいたそうです。そういう「このためにきたぜ!」感がエリアに謎の高揚感を生んでいた、そんな気がします。

・歴史を作ってる感がいい

前項に少し近いところがありますが、あの日の高揚感には自分たちが歴史を作っているという感慨もあったと思います。音楽フェス×サウナの取り合わせはちょいちょい話題にはなっていたみたいなのですが、初実現があの森道市場でした。

これはもっと出来るもっとやれる!という感触を全員が得ていたと思います。特に企画側の皆さまにその確信があったと思いますが、参加者にもあったんじゃないでしょうか。新しい文化形成に立ち会えた喜びというか、新しい道が開かれた喜びというか。その共振がグルービーだったんじゃね?とか思っています。

・コミュニケーションがいい

普通、僕はサウナでは人と喋りません。誰もがそうだと思います。瞑想するか、中にあるテレビをぼんやり見ているかのだいたい2択です。1度北海道の支笏湖畔にある老舗旅館サウナでおじいちゃんに話しかけられましたがそれは珍しい例で、普通は話しかけられもしないと思います。みんなそれぞれの宇宙旅行を楽しんでいる感じです。

それがSaunaCampは全く違いました。めっちゃ喋った!同じサウナになった人たちと、出身やら仕事やら音楽やら、そしてもちろんサウナやら、めっちゃお喋りをしました。初めてのことでしたが、全然悪いもんじゃなくて、これがとても楽しかったです。THEサウナーな方もいれば友達に引っ張って来られたビギナーまで、みんな感想が違って面白かったです。

・サウナテントでセルフロウリュがいい

なんで普通は喋らないサウナであんなにお喋りをしたのか。それはサウナテント内の仕組みがよい働きをしていたからだと思います。

まずはサウナテントは狭いです。快適人数はおそらく4人。収容人数は5人ってところかなと思います。当然各々の距離は近く、喋ったほうがいいよね的な距離感に最初からなっています。

そして外せないセルフロウリュ、これが会話のきっかけになっていました。狭い空間を共有しているわけですが、ロウリュすればテント内の温度は爆上がりするのでテントメイト(今できた言葉)に無断ではなかなかしにくいところです。必然的に「ロウリュしてよろしいですか?」という問いかけが生まれ、「ガンガンいきましょう」「うわめっちゃ熱い…いいっすね…」みたいな、それをトリガーに他の話が続いていきます。会話のきっかけになる仕組みが、アロマ水を張ったバケツ&ひしゃくという形でどのテントにも用意されているので、自然とお喋りが弾んだ。こんなところだと思います。

森道前にTwitterをフォローさせていただいていた方と後日繋がることもできました。サウナハットを自作されている方だったのですが、このサウナハット写真に撮ったな…!とか思って勇気を出してメッセージを送ってみました。まだそこまで広がっていないカルチャーだからこそできた絡みだったと思います。

f:id:kutsune60:20190613145933j:image

終わりに

そんなこんなでやっぱり森道市場2019①はサウナの話しかしませんでした。もともとおじ様たちの物であったサウナが健康や美容、アウトドアやフィランド的シャレオツ文化としてあらためて見直されてフレッシュな受容のされ方をしつつあるのが面白いと思います。

まぁそりゃ流行るよなーと思いますけどね。だって気持ちいいもん。短絡的ながら、酒に音楽とか人にめっちゃ褒められるとかに並ぶ合法ドラッグですよあれ。

 

ほんとにサウナの話をしてたら終わってしまいました。森道市場2019録②では音楽やお店の話をしたいと思います。つづく!