ぶらりのつもり。

平成生まれがよい大人を目指す道ログ

やっと買ったスピーカーとアンプ

勝者はスピーカーDALI Zensor3とCDレシーバーDENON RCD-M41

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すこし前になってしまったけれど、引っ越しに際してオーディオ機器をワンランクアップさせる企画、とうとう購入に踏み切りました。

 

店に通うことのべ5回、「今日こそ買う!」と決めて行ったその日も店で2時間以上迷うというグズつきっぷりだったけど、とにもかくにも決めたのです。DALIのスピーカーとDENONのCDレシーバーに。

 

スピーカー選びはB&Wの686S2 対 DALIのZensor3

さぁ今日こそ買うぞと決めた頂上決戦の日、候補に残っていたスピーカーは3つあった。B&Wの686S2と、DALIのZensor1、それからZensor3です。

 

この3つに絞って聞き比べをした時、まずはZensor1が脱落していきました。店員さんには最後までZensor1のバランスの良さを勧められたけど、Zensor3の音の太さと低音の余裕に負けてしまったな。確かにZensor1はその価格帯では断トツに音が良くて、モニターすぎる感じもなく過ぎた飾り気もなく、本当によいスピーカーだと思います。「これで十分いいや!」っていう人もいると思う。Amazonのレビューがよいのも頷ける。ただ僕は、低音がすこしさみしいというか、疎になっている感じがして妥協できませんでした。高校時代にチューバを吹いて以来、低音を欲しがる耳であるのが理由かもしれないな。

 

ずっと決めきらなかった686S2とZensor3

Zensor1が脱落していった後、大変だったのはその先でした。686S2とZensor3がいつまで経っても決められない。解像度は686S2のほうが高く、よいスピーカー感がありました。フロントバズレフなぶん、低音もはっきりと飛んでくる。なにより686S2はちょうどよいサイズです。Zensor3はこの前も書いたけど本当に大きい。部屋が小さい僕にはそのわずか3,4cmの差がめちゃくちゃにキツいボトルネックでした。

 

一方で丸みというか優しさはZensor3のほうがあって低音の量感もよく、僕がメインに聴くアナログレコード音源はこっちのほうがよいかもなという気もありました。デザインは好みだし、比較的安いし、686S2のように入荷1ヶ月待ちの状態でもなかった。やはりデカさだけが問題でした。

 

アンプを決めたらスピーカーが決まった

では結局いかにしてZensor3に落ち着いたかというと、最終的にはアンプ側の都合でありました。まぁ部屋が狭いのでアンプといってもCDプレイヤーと一体型のレシーバーなのだけど。アンプ候補として迷っていたマランツのM-CR611とデノンのRCD-M41だが、結局はデノンを選ぶことにしました。マランツはパワーもあり、回路もオーディオ然としていて音質にもかなりの期待が持てました。ただ、たぶん僕は使わないだろうネットワークオーディオ対応機能のおかげで値段は張るし、CP搭載のために立ち上がりと立ち下げに時間がかかる。動作もモッサリと重たい。CDトレイの不具合も多いらしいです。

 

一方のRCD-M41はコンパクトだし安いし、余計な機能がついていない。2017年発売でM-CR611よりも新しい。僕はCDとアナログ入力とBluetooth接続があれば必要十分なのです。筐体は金属で高級感もあり、アナログアンプであるのも興味がある。そんなこんなを理由にCDレシーバーはDENONのRCD-M41にしたのでした。

 

となると問題になるのは、アンプのパワーでした。店員3人をつかまえて聞きましたが、RCD-M41ではB&Wの686S2は鳴らしきらんだろうという話だったのです。なんでもツイーターが金属製のため、アンプにはもっとパワーがあるものがオススメらしく。一方のZensor3は樹脂コーンのツイーターです。アンプに負荷をかけないのでどんなスピーカーでもよく鳴りますというのは公式HPも謳っていました。たしかに金属のほうが分子として運動させるのにたくさんの力がいるので、現実に「パワー不足で鳴らしきらない」ということはあるのかもしれないな。結局これが決め手となりました。

 

 686S2はチョー魅力的なのだけど、これを買うとお値段が張り、動作も重たいM-CR611がセットになってしまいます。DENONで決めるならスピーカーはZensor3です。メーカーもこの組み合わせを推奨している。決まりである。あぁ長かった…。

 

次は色えらび

 

さてあとは消化試合です。まずは色選び。Zensor3は2色展開であり、優しい茶色のウォールナットとクールな黒のブラックです。正直ここでもまたちょっと迷いました。「よい色だなー」と思うのはウォールナットのほうで、台と色が合いそうです。色合いのおかげで軽く見える。

 

一方の黒は締まったクールな印象だ。サランネットと箱の色が同じなので、色の継ぎ目が分断して見えず、すこしウォールナットより小さく見えます。色で感じる錯覚なんて気のせいの上にあるものではないかと意見もあるが、塗装で音が変わるという話もあるので僕はおろそかにしてよい話だとは思いません。金管楽器は金ラッカーか銀ラッカーで音が変わるし、つや消しなんて加工もあるじゃないか。当然、弦楽器もそうなんじゃないだろうか。だとしたら、同じく“鳴る木の箱 ”であるスピーカーが影響を受けないはずがない。調べてみると音の輪郭は黒のほうが出るという意見があるようでした。

 

結局は686S2に憧れた音の輪郭を求めて、またすこしでも小さく見えることを祈って、ブラックを選びました。後日部屋に届いた実物を見て、RCD-M41も黒だしとても満足しています。かっちょよい。

 

スピーカーケーブル選び

 

最後にCDレシーバーとスピーカーを繋ぐケーブルを選ぶことになりました。そうか、単体コンポあたりになってくるとスピーカーケーブルも別売りで自分で選ぶのかと、ちょっと大人になった気分がしました。とは言いつつも、ここはまったくお金をかけませんでしたね。たぶん僕の耳では分からんなという確信があったのと、逆にわかっちゃったらこの先がヤバそうだったからです。

 

ぼくが初めてオーディオに触れたのは吉祥寺の有名ジャズ喫茶メグで参加したイベントでした。サークルのOBの先輩がオンラインレコードショップをやっていて、そのレコード布教企画かなんかに参加したのだけど、いま思うとあれがいろいろなきっかけで、あとたぶん頂点でもあります。あんな環境で音楽を聴くことは普通はありません。なんなら生音より金がかかっているんじゃないか。もう数字はうろ覚えなのだけど、たしかレコードプレイヤーとアンプを繋ぐ線が1m足らずで何十万円とか言っていました。意味不明。オーナーの寺島さんはトロンボーンを吹くらしく、僕も当時トロンボーンを吹いていたのでちょっとお話をすることが出来ましたが、いろんなオーディオ関連の本を見ているとけっこう名前をお見かけするので、すごい人だったんだなと見るたびに思います。いや〜ようやらんなぁ。

 

でも、あの時に赤いスーザフォンみたいなスピーカーから聴こえたビートルズは一生忘れられないと思います。なんせレコードに針を落としたら、自分とスピーカーの間に視覚的に音がタテヨコに並んだのです。リンゴがここ、ジョンはここで、ポールとジョージがここで、と指を指すことが出来そうでした。

 

聴いたのはPlease Please MeのAP8675、1969年プレスの日本盤です。UK盤とはジャケ違いで、俗に言う“初期擬似ステレオ盤”でした。「泣き別れステレオ」ともいわれ、左右で完全にセパレートされた歌と楽器は、携帯音楽プレイヤー時代の現代では非常に不評です。僕もあまり好きではありません。ビートルズはスピーカー以外ではあまり聴かないのだけど、それでも好きではありません。2007年のステレオリマスター盤発売時にアップルの公式ビートルズ音源はステレオ音源とされ、「泣き別れステレオ」が公式音源として認められることになりましたが、意味不明です。初期はやっぱモノラルだろ!

 

話がそれましたが、擬似とはいえステレオ音源であったのは、耳を貫くように素晴らしい解像度のシステムでかけるにはよい音楽であったのかもしれません。そのおかげで僕は生まれて初めて音を視覚的に認知するに至り、CDよりレコードを買うようになり、そしていまちょっとだけよい音楽再生環境に手を出すに至ったのであります。

 

インシュレーター選び

最後はインシュレーター選びだが、結論からいうとこれは買いませんでした。スピーカーを買ったら10円玉インシュレータは卒業しようと思っていたのですが、いっぺんに全部を変えてしまうと音の違いがわかりません。半年前カメラを買い換えた時に、本体とレンズを一緒に変えたらどっちのおかげでどう写りが変わったのかわからなかったのでその反省です。変数を減らしてどの変化が何によるものなのかを味わいたい。レコードプレイヤーを後から替えることにしたのもそのためです。あとフィルムカメラ用のモルトと10円玉で自作したインシュレーターが割と優秀な気がしているのもあるかな。

 

結論、僕は満足です

スピーカーとアンプをいっぺんに変えてる時点ですでにダメな気もするが、こんなもんは最初から気のせいの上にあるものです。自分が気のすむようにやれば幸せなのです。。スピーカーやアンプの音なんて好みであり、ケーブルやインシュレーターによる違いなんてのは僕みたいな初心者にとっては誤差のようなものでかもしれません。インシュレーターを置くよりスピーカーの場所や向きを変える方がはるかに音が変わるよと言う人がいるが、まじホントおっしゃる通りだと思います。、

 

自分で作ってみたシステムで幸せになれるならそれでよいのです。金をかけて幸せが大きくなるならお金をかけるし、色々と試してみたらよいのです。スピーカーのエイジングはまだまだで、これから鳴らし込んでいこうという過程ですが、すでに前のセットコンポより音は良いわけで。まだ音が良くなると思うと今後が楽しみです。

 

今日は東京にいましたが、実家には寄らずに早く神戸に帰ってプレイヤーの電源を入れることにしました。ちゃんと幸せになったので、僕の買い替えは大成功なんじゃないでしょうか。