ぶらりのつもり。

平成生まれがよい大人を目指す道ログ

Beatlesモノラルステレオ比較②

With The Beatles【1963】

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だいぶと間隔があいてしまいました。

長い距離の出張移動がなくなってしまったので書く時間が限られてしまうようになったのですが、1人の時間がなくなるとあんまりよろしくないタイプっぽいです。もっとくだらない考え事してたい。

 

前回に引き続いてBeatlesのモノラルステレオ比較、第2弾としてセカンドアルバムのWith The Beatles。いってみたいと思います。トップ写真はうちのアナログ2枚ですが、例によってアナログ音源は含まず、1987、2009ステレオ、モノラルの比較です。

結論からいうと僕は1987年バージョンが一番でした。そしてやはり泣き別れステレオはキツい…。

 

・セカンドも泣き別れステレオ以外から選ぶ

With The Beatlesもステレオ録音は左右に音が分離しています。楽器隊はともかく、ボーカルのパッツリ分断が気持ち悪いです。スピーカーで聴かないなら、お勧めは出来ないです。

ということでモノラルの1987バージョンか、2009バージョンかという感じですね。

 

Beatles 「1」というアルバムのよさ

すこし逸れますが2015年にビートルズの「1」というアルバムが再ミックスされました。「1」はイギリスかアメリカでチャート1位を獲得した27曲を集めたベスト盤で、僕も昔よく聴いていました。車に1枚だけCDを置くとしたら、この「1」を選ぶと思います。

 

なんせこれは素晴らしいです。何がいいって最初期3曲(Love Me Do、From Me to You、She Loves You)はモノラルミックスなのです。泣き別れ期の作品はモノで、それ以外はステレオになってる。でかした。英断すぎる。

2015ミックス以前のやつも最初期曲はモノだったのかは分かりません。小学生の頃はよく聞いてたけど、その頃はずっとスピーカーで聴いていたし、モノラルとかステレオとかそんなの知らなかったので意識していませんでした。旧バージョンまだ実家にあったかな…。

音質もありがとうデジタル時代といった感じでめっちゃクリアです。いい音!ずっとBeatles聴いてきた人も楽しいと思います。ギターの音こんなに乾いた気持ちいい音だったのか!コーラスワークこんなに聴こえるのか!ってなれます。曲も間違いのない27曲で、これからビートルズに入門するという人には最高だと思います。Please Please Meが入っていないのだけは不満ですが。笑

 

・音像に優劣なし、好みの問題かな

新旧モノラルのWith The Beatlesは迷いました。音像は似ていて、正直どちらもよかった。ただ僕としては1987バージョンを推します。

異論もある気はするけど、まず昔から聴いている音源なので、圧倒的に耳馴染みがよい。ビートルズってこうだよなぁという安心感。いや超主観ですが。

ボーカルや楽器の塊感が1987バージョンの方があります。いっぽうの2009バージョンは空間が広がって、ボーカルや楽器隊が伸び伸びと聴こえます。音の解像度も上がって今風の音に仕上がってます。こうなると今時の耳には2009バージョンのほうがいいかもしれないですね。古臭くなくて、聴きやすいかも。

 

じゃあなんで1987バージョンやねんって言われそうですが、こちらが好きな人もいると思います。アナログ時代の音に近いというか。デジタル時代の耳になる前に作ったものという感じがします。

この20年で録音で得られる音は確かに変化しているんでしょうね。1987年の耳で作ったいい音と、2009年の耳で作ったいい音の違いがここにあるんじゃないかとか思いました。

1990年代は太い眉毛が美人だったけど、2000年代はナチュラル系が美人だった、みたいな。違うか。

 

・本アルバムのステレオ版の意義

このWith The Beatlesを1枚買うとしたら、1987版を勧めるというのが僕の結論ですが、じゃあステレオはどうやねんと言うと、ステレオも楽しいですよ。

 

まずスピーカー環境があるなら、イヤホンと違って泣き別れステレオもそこまで気にならないと思いますが、ステレオはとにかくクリア!キレがすごいです。You Really Gotta Hold on Meのジョンのボーカルとかやばいです。艶がすごい。じゅん…と何かが熱くなります。

次に楽器の分離がよいので耳コピ向きです。All My Lovingでポールがベースを間違えるところもハッキリ聴こえます。ソロが終わって4小節目、「tomorrow I'll miss you」の後ろでベースが明らかに音を外します。ポールは後年テイクの鬼と化すし(ホワイトアルバムのI Willとか)、完璧を求めるタイプだと思ってたのになんでこのままOKしたんだろう。忙しかったんかな。

あとMoneyはイントロが全然違います。モノラルは入りのピアノが生音っぽいけど、ステレオではエフェクトがかかってます。そこにかぶさってくるギターも歪みや音数が違います。ステレオとモノラル違いの代表的なやつですね。

 

最後に僕は知りませんでしたがNot a Second Timeは回転数やフェードアウトのタイミングが違うようです。

(参考:https://beatlesdata.info/alternate.htmlいつもお世話になりまくってます…!

このミックス違いはモノラルの方が好きかな。ジョンのスキャット?が長く残るのはモノラルです。

 

あと上記サイトによるとドイツ盤にはAll My Lovingのイントロにハイハット5発が入るやつがあるとのこと。これは気になる…!たぶんライブでポールが「1,2,3,4,yeah!」とカウントしてから入るやつ(アンソロジー1に入っているエドサリバンショーで聴ける)をスタジオではリンゴがやったんですかね。いつか欲しいなぁ。

 

余談ですが、だいぶ前にこのアルバムのステレオオリジナル盤を買いました。状態があまりよくなくて安かったところ、UKオリジナル盤という甘い響きにやられて買ってしまいました。もちろんラウドカットです。たしかに音はそんなに良くなかったのですが、それなのに何…⁉︎この鮮やかさ…!と狼狽しました。腐ってもUKオリジナル盤。

 

・まとめ

ということでまた1987バージョンを選んでしまいました。せっかく新しくmonoを出してくれたのに申し訳ない。選ばなかったけど、もはや好みの問題で2009バージョンも良かったですよ。All My Lovingとか特によかった。話題にもなるし、出してくれたのは本当に嬉しいと思っています。何度もリマスターされて財布には厳しいですが、文化遺産としてはよりよい改良が入るべきだし、誰かが言ってた「勝者の証」ってのもわかる気がします。

 

次はサードアルバム、A Hard Day's Nightをやります!頑張ります。