ぶらりのつもり。

平成生まれがよい大人を目指す道ログ

Beatlesモノラルステレオ比較⑤

Help!【1965】

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Beatlesモノラルステレオ聴き比べの第5段、1965年の「HELP!」をお送りしたいと思います。ちなみにあんまりにもあまりなので始まってから2文目でもう書いてしまいますが、HELP!のモノラル音源はゴミ音質です。

さぁやるぞと曲を再生してからわずか5秒でモノラルが脱落したのでステレオ音源のみの比較となりますこと、ご容赦ください。笑

 

仕切り直しまして、実はこの前誕生日だったのですが、プレゼントに妻からBeatlesホワイトアルバムアビーロードの50周年記念盤LPをもらいました。控えめに言ってめちゃくちゃ嬉しかったです。夜遅かったし一緒に花も貰ったりして感情があれこれ忙しかったのでそこばかりにリアクションをとる余裕はなかったのですが、今こうしてBeatlesを聴きながら思うとやっぱりレコードはめっちゃ嬉しいです。とても好きです。

サブスクではもう聴いてましたが、やっぱり違うんですよね。音質云々以前に、ターンテーブルに乗せる重みが好きだし、モノとしてアウラを感じられるのが好きです。このブログではデジタルリマスターを比べていますが、アナログにも手を出してもらえたら嬉しいですね。ちなみにいつのまにかアビーロードのLPはこれで5枚目です。笑

 

HELPで比べる4音源

今回の比較は4音源で、2009モノラル、1987ステレオ、2009ステレオ、そしてモノラルのおまけで着いている1965ステレオです。

モノラルリマスターのアナログ版には無かったのですが、CD版には1965年発売当時のステレオ音源が一緒に入っていました。太っ腹やん!と最初は思いましたが、今となってはモノラルが酷すぎるという申し訳なさによって同梱されているのではという邪念さえおぼえます。そのくらいモノラルがひどい…。

 

どないなっとんねんモノラル

まず開始5秒で脱落していったモノラルからいきます。さて、1曲目を聴いた瞬間に「ん?」となります。なんなら1曲目のHelpがいちばん酷い。水量半分で炊いてしまったご飯のようにパサパサで、ジョンの声は震えてかすれて上ずってしまっています。楽器はくっついて団子になっているしボーカルは潰れて歪んでいて、笑えてくるレベルの酷さです。別に聴き比べなんかしていなくても、普通にこれは何かがおかしい気づくと思います。逆にこれで"悪い音質"というものを知る、とかどうでしょう。音質比較のいい例にはなるかもしれません…。


2曲目のThe Night Beforeを聴いても違和感は拭えません。サランラップでも通して聴いているかのようで、メリハリが全くありません。3曲目くらいからはちょっとマシになっている気がしましたが、You're Going To Lose That Girlでまた団子に戻り、パサパサでべちゃべちゃの音楽になります。どないなっとんねんこれ。

 


ジョージマーティンの耳は音質に厳しかったようなので、何故こんな出来の音源が世に出回ったのか不思議でなりません。しかも当時の再生環境としては主流であったはずのモノラルでこれを許すマーティンの考えがわかりません。Helpのアルバムには携わってないんやろうか。理由を更に調べることをしなくて申し訳ないですが、どなたか有力情報あればお願いいたします…。

 


ちなみに唯一僕がモノラル音源でよかったかなと思ったのはTiket To Rideです。これには迫力というかラウド感があります。この曲だけはステレオ音源には無い塊感が好印象でした。ギターとベースとドラムが同じ動きをして、ジョンの言う「ヘヴィメタルの先駆けだった」がモノラル音源だとよくわかります。

怖いもの聴きたさのある人か、ヘビーな塊感のあるTiket To Rideが聴きたい方のみ買ってみてください。基本的には、まったく勧めません。

 


勝負はステレオ音源のみでやります

ボロクソ書きましたが、逆に面白くはありました。モノラル音源。

 


さて、本命のステレオ音源3つですが、正直今回の1位は好みで決めてしまいました。音質だけでは決めれんかったです。

 


銅賞:1965ステレオ

まずは3位ですが、モノラルリマスターのおまけ?で付いている1965ステレオとしました。昔の音源が聴けてレアなのだとは思いますが、さすがにすこし音像が野暮ったい印象を拭えません。1965年の音源ということはアナログで出したものをデジタルに移したのかなと思いますが、ここはメディア特性の差ですかね。You're Going To Lose That Girlのピアノとか、もうちょっと分離して聴こえてほしいかな〜。

 


全体的にちょっと眠いというか、クリア感があまりありません。これが悪い!というわけでもないのですが、驚きもないし平凡だなぁということで銅賞に落ち着きました。

 


銀賞:2009ステレオ

え⁉︎これが一番よくない⁉︎という声も聞こえてきそうです。うん、そうかもしれません。異論を認めます。なんせ確かに音はこれが最もクリアでパンチもあります。瑞々しさがあると言っていいかもしれません。

 


しかし僕にとってはすこしギャンギャン鳴り過ぎているように聞こえます。ベースもブンブン唸りすぎているような気がします。ちょっと極端なのかもしれません。お酒が入った状態で聴くならこの2009ステレオかなぁ。ギターの歪みなんかもカッコよいし、Beatlesのロックバンド性を感じられます。キャバーンでのビートルズとか好きなのでロックな一面も歓迎だと思っていたのですが、なぜか選べませんでした。僕がこのアルバムに求めているのは違ったようです。好みですみません…!

 


サブスクにあるのはこの音源ですので、ぜひ状態のよいヘルプを聴いてみてください。

Help!

Help!

 

 

 

金賞ゴールド:1985ステレオ

というわけでHelpの音源比較は1985年のCD化時音源を優勝としました。2009ステレオを聴いてると、いいね!素晴らしいね!という気分にはなるのですが、そのあと1985ステレオに戻ってくると、なんというか素晴らしい安心感に包まれます。

 


趣味の世界な気がしますが、それくらい1985ステレオは令和のこの世にもオススメできます。破綻なくまとまっていて、かつどの音が前に出るべきかよく見えています。You're Going To Lose That Girlは2009版だとちょっとベースが出過ぎていてやかましいのですが、1985は適度なまとまりを保っていて、ビートルズってええバンドやな〜という平和な感想をもたらしてくれます。

 


もしかして今となってはこちらのバージョンの方が手に入りにくいのでしょうか。最新デジタルマスター以前のジョージマーティンの素晴らしい仕事を味わってみてほしいです。

 


モノラル音源とステレオ音源の違い

ちなみに、Helpの楽曲で音源に違いがみられるのは2点です。

 


・歌詞が違う

Aメロ1番の歌詞が明らかに違います。ステレオ版では「But now these days are gone…」と歌われるところが、モノラルでは「And now these days are gone…」となっており、歌詞をみながら聴いているとすぐにわかります。

 


・ハンドクラップの回数が違う

戻りAメロというか、静かになって戻ってくるメロの部分でタンバリンの鳴る回数がモノラルとステレオでは異なっています。モノラルはステレオはです。これも分かりやすいと思いますよ!

 


あと特徴的なジョージの下降アルペジオが異なるという話もあるようですが、僕は確認できませんでした。違うような、違わないような…。

 


以上が5枚目アルバム「HELP」の聴き比べでした。次は名盤ラバーソウルですね。気長にやります…!