ぶらりのつもり。

平成生まれがよい大人を目指す道ログ

機械式カメラの愉しみ

機械式フィルムカメラが最高な件

f:id:kutsune60:20200218202433j:image(FM2とFM3A)

フィルムカメラデビューした友人と写真を撮りに行ったらあんまりにも楽しかったので筆をとりました。

 

きっかけは今年の年末、日本中でたくさんの人がコタツでみかんをむいてスマホと紅白をみながらくつろいでいるあの時間。SNSに個人的な自己満2019ベスト写真をあげたところ、高校時代の友人からメッセージを貰いました。「フィルムカメラを始めたいんやけどアドバイスくれたら嬉しい」的な。聞けば今はコンパクトデジタルカメラを持ってるけど、次にはフィルムカメラが欲しい。それもフィルム一眼レフが欲しいとのこと。

 

ほかの多くの写真趣味な人がそうであるように、僕も相当なテンションの盛り上がりをもってその友人に応えました。写真が好きだから早速フィルムカメラにかかりたいだなんて最高じゃないですか。

 

白羽の矢はNikon

嬉しがった僕は自分でもよく眺めるサンライズカメラという、奈良県は桜井にあるオンラインカメラショップのブログを友人に送りました。ここのブログはフイルムカメラ愛に溢れており、またカメラのナニワ的な沼に誘う恐ろしい迫力(僕は好きです)が無いので初めての人にも見やすいかなと思います。カメラ紹介をはじめとするコラム記事はとても丁寧だし!

https://sunrise-camera.net/user_data/blog/list?cate=4

 

結果として彼女が購入したのはNikonフィルムカメラであるNew FM2でした。なんて素晴らしいチョイス!FM2のスペックはググれば無限に褒め称えるWebページがあるので触れませんが、プロも使った一級のミドル機です。なんなら僕も欲しい。FM3Aからは斜体になってしまったNikon銘がまだ縦フォントなのがいいんですよね。f:id:kutsune60:20200218231126j:image(うちのFM3A)

上のがそうですが僕もメインのカメラはNikonなので仲間が増えてとても嬉しかったです。それに僕は他にも写真友達数人をフィルムカメラ沼へいざなってきましたが、皆が買ったのは、キヤノン派はEOS1VとEOS3、ニコン党ならF100と自動化の進んだカメラばかりでした。しかしここにFM2です。フルマニュアルの機械式カメラ!使い方レクチャーも兼ねて、共通の写真友達も誘って写真を撮りに行こうぜという話になり、2月にしてはとても暖かい日となった神戸へ出かけました。

 

小春日和の神戸へ

行程は僕が組みました。神戸に行きたいというリクエストを受け、元兵庫県民として良い写真散歩にしたかったのです。「東遊園地のファーマーズマーケット→光の入るカフェでお昼ご飯→奈良県民の永遠の憧れである海」と巡るフォトウォークとしました。f:id:kutsune60:20200218231022j:image(X100F )

三宮駅で下車し、ファーマーズマーケットをやっていると情報を得ていた東遊園地に向かいます。f:id:kutsune60:20200217235806j:image(Autocord×Portra400、光リークしてる…?)


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f:id:kutsune60:20200217235812j:image(FM3A×Sigma 105mm F2.8 EX)

着いてみるとマルシェはとても可愛い雰囲気で、声をかけると写真も撮らせてくれました。兵庫県内の野菜がたくさん並べられていてら知らない間に友人は椎茸を買っていて笑いました。あと昼ご飯を前倒しにしてここで食べた野菜スープ(店主が獲った猪肉入り!)と干し芋が美味でしたね。f:id:kutsune60:20200218000045j:image
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f:id:kutsune60:20200218000048j:image(FM3A×Sigma 105mm F2.8 EX)

撮り歩く間、カシャン!というかバチャコン!というか、同じFM系のシャッター音が自分以外からも鳴っているのがめちゃくちゃ楽しかったです。FM3AとFM2はシャッター機構は一緒なんですかね。シャッター音量的な意味における我々の撮ってる感たるや素晴らしかったです。機械式カメラ友達は初めてできたもので、僕はかなりテンションが高かったと思います。f:id:kutsune60:20200218000429j:image(この日も人気者だったオートコード)

 

カメラ、海へ行く

一向は洒落た雰囲気の旧居留地を抜けて海を臨むメリケンパークへ向かいます。

f:id:kutsune60:20200219194130j:imagef:id:kutsune60:20200218001154j:image(FM3A×Sigma 105mm F2.8 EX)


f:id:kutsune60:20200218001151j:imagef:id:kutsune60:20200218231613j:image
f:id:kutsune60:20200218231617j:image(X100F)

 

ラグビーワールドカップぶりにメリケンパークへ来ましたが、やっぱりここは気持ちがよいですね。f:id:kutsune60:20200218001431j:image(FM3A×Nikkor 85mm F1.8D)

f:id:kutsune60:20200219193939j:image(僕に唆されてX100F を買った友人と僕に唆されてFM2を買った友人です)

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f:id:kutsune60:20200218202914j:image(Autocord)

この辺ですこし時雨たりしたのでカフェに逃げこんだりしましたが、小腹が空いてたりしたのもあってちょうどよかったです。

 

機械式カメラの魅力

自分以外がフルマニュアルの機械式カメラを使っているところを初めてみましたが、本当にいいもんだなと思いました。フィルム巻き上げの音やミラーが返る音がなんとも言えず、撮るほどに高揚感を煽ってきます。

 

フィルムカメラに手軽さを求めた時には面倒に感じるかもしれない機械式カメラですが、逆に言うとこれほど趣味性の高いカメラもそうありません。所作のすべてが作業ではなく愉しみなのです。フィルム巻き上げのトルク感と絞りリングのクリック感とピントリングの滑らかな抵抗が僕はやっぱり好きです。

 

おまけ

神戸での会は夕方に解散になりましたが、フィルムを撮りきっていなかった僕は1人で日暮れを撮りにコンラッド大阪に向かいました。f:id:kutsune60:20200219083745j:image

前々から気になっていた場所ではあったのですが、いざ入口まで来たらイヤこんなん入っていかれへんやろという圧倒的高級感。ビビって一度玄関をスルーしました。それでもせっかく来たし…と戻って中を伺っていると、ボーイのお兄さん(金髪蒼眼の衝撃的イケメン)がカメラを提げた僕の目的を察したのか、中へ通してくれました。

エレベーターで高くまで上がり、扉が開いた先の光景は圧巻!最高でした。f:id:kutsune60:20200219083907j:image
f:id:kutsune60:20200219083851j:image(X100F )

中に通してくださった感謝の意を込めてこんどは妻を連れてちゃんとお茶でもしに来たいと思います。ディナーどころかランチも厳しい気がするので、どうかご勘弁ください…。

 

ちょうど日が暮れていく時間で、現像したら光がガラスの反射と混ざって溶けるようでした。f:id:kutsune60:20200219083745j:image
f:id:kutsune60:20200219083948j:image
f:id:kutsune60:20200219083951j:image(Autocord)


f:id:kutsune60:20200219083954j:image
f:id:kutsune60:20200219083945j:image(FM3A×Nikkor 85mm F1.8D)

 

ここで買ってから初めて二眼レフのスポーツファインダーを使いました。使いにくい…。そりゃ一眼レフに淘汰されるわけですね笑f:id:kutsune60:20200219084350j:image(Autocord)

 
余談のインポッシブルアーキテクチャ

このあとコンラッド大阪から下界に降り立ち、土曜の夜間開館中の国立新美術館で「インポッシブルアーキテクチャ展」を観てきました。f:id:kutsune60:20200219190019j:image

なぜ余談なのにわざわざ言及するかと言うと、これがめちゃくちゃ良い展示だったんです。日本の三都市を巡って大阪が最後なのですが、まだの人は是非行って欲しい。遠方から行く価値もある企画展だと感じました。

ここで言う「良い展示」というのは、観てて楽しかった〜という単純な話ではなくて、観終わった後に残る感触がとても良かったという評価です。インポッシブルアーキテクチャ展は展示の充実度に加えて批評性と皮肉がしっかり盛り込まれていて企画がクレバーでした。

勘の鋭い方なら展示を見て行くうちに「これクライマックスはアレじゃね…?」という気がしてくると思います。そして全てを終えたあとに展覧会広告のビジュアルを見ると、なぜか入っている取り消し線の意味が痛烈な皮肉として日本人に刺さってくると思います。

3/15まではやってるので皆さま是非!とお勧めをしたところで本記事を終えたいと思います。