ぶらりのつもり。

平成生まれがよい大人を目指す道ログ

Beatlesモノラルステレオ比較②

With The Beatles【1963】

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だいぶと間隔があいてしまいました。

長い距離の出張移動がなくなってしまったので書く時間が限られてしまうようになったのですが、1人の時間がなくなるとあんまりよろしくないタイプっぽいです。もっとくだらない考え事してたい。

 

前回に引き続いてBeatlesのモノラルステレオ比較、第2弾としてセカンドアルバムのWith The Beatles。いってみたいと思います。トップ写真はうちのアナログ2枚ですが、例によってアナログ音源は含まず、1987、2009ステレオ、モノラルの比較です。

結論からいうと僕は1987年バージョンが一番でした。そしてやはり泣き別れステレオはキツい…。

 

・セカンドも泣き別れステレオ以外から選ぶ

With The Beatlesもステレオ録音は左右に音が分離しています。楽器隊はともかく、ボーカルのパッツリ分断が気持ち悪いです。スピーカーで聴かないなら、お勧めは出来ないです。

ということでモノラルの1987バージョンか、2009バージョンかという感じですね。

 

Beatles 「1」というアルバムのよさ

すこし逸れますが2015年にビートルズの「1」というアルバムが再ミックスされました。「1」はイギリスかアメリカでチャート1位を獲得した27曲を集めたベスト盤で、僕も昔よく聴いていました。車に1枚だけCDを置くとしたら、この「1」を選ぶと思います。

 

なんせこれは素晴らしいです。何がいいって最初期3曲(Love Me Do、From Me to You、She Loves You)はモノラルミックスなのです。泣き別れ期の作品はモノで、それ以外はステレオになってる。でかした。英断すぎる。

2015ミックス以前のやつも最初期曲はモノだったのかは分かりません。小学生の頃はよく聞いてたけど、その頃はずっとスピーカーで聴いていたし、モノラルとかステレオとかそんなの知らなかったので意識していませんでした。旧バージョンまだ実家にあったかな…。

音質もありがとうデジタル時代といった感じでめっちゃクリアです。いい音!ずっとBeatles聴いてきた人も楽しいと思います。ギターの音こんなに乾いた気持ちいい音だったのか!コーラスワークこんなに聴こえるのか!ってなれます。曲も間違いのない27曲で、これからビートルズに入門するという人には最高だと思います。Please Please Meが入っていないのだけは不満ですが。笑

 

・音像に優劣なし、好みの問題かな

新旧モノラルのWith The Beatlesは迷いました。音像は似ていて、正直どちらもよかった。ただ僕としては1987バージョンを推します。

異論もある気はするけど、まず昔から聴いている音源なので、圧倒的に耳馴染みがよい。ビートルズってこうだよなぁという安心感。いや超主観ですが。

ボーカルや楽器の塊感が1987バージョンの方があります。いっぽうの2009バージョンは空間が広がって、ボーカルや楽器隊が伸び伸びと聴こえます。音の解像度も上がって今風の音に仕上がってます。こうなると今時の耳には2009バージョンのほうがいいかもしれないですね。古臭くなくて、聴きやすいかも。

 

じゃあなんで1987バージョンやねんって言われそうですが、こちらが好きな人もいると思います。アナログ時代の音に近いというか。デジタル時代の耳になる前に作ったものという感じがします。

この20年で録音で得られる音は確かに変化しているんでしょうね。1987年の耳で作ったいい音と、2009年の耳で作ったいい音の違いがここにあるんじゃないかとか思いました。

1990年代は太い眉毛が美人だったけど、2000年代はナチュラル系が美人だった、みたいな。違うか。

 

・本アルバムのステレオ版の意義

このWith The Beatlesを1枚買うとしたら、1987版を勧めるというのが僕の結論ですが、じゃあステレオはどうやねんと言うと、ステレオも楽しいですよ。

 

まずスピーカー環境があるなら、イヤホンと違って泣き別れステレオもそこまで気にならないと思いますが、ステレオはとにかくクリア!キレがすごいです。You Really Gotta Hold on Meのジョンのボーカルとかやばいです。艶がすごい。じゅん…と何かが熱くなります。

次に楽器の分離がよいので耳コピ向きです。All My Lovingでポールがベースを間違えるところもハッキリ聴こえます。ソロが終わって4小節目、「tomorrow I'll miss you」の後ろでベースが明らかに音を外します。ポールは後年テイクの鬼と化すし(ホワイトアルバムのI Willとか)、完璧を求めるタイプだと思ってたのになんでこのままOKしたんだろう。忙しかったんかな。

あとMoneyはイントロが全然違います。モノラルは入りのピアノが生音っぽいけど、ステレオではエフェクトがかかってます。そこにかぶさってくるギターも歪みや音数が違います。ステレオとモノラル違いの代表的なやつですね。

 

最後に僕は知りませんでしたがNot a Second Timeは回転数やフェードアウトのタイミングが違うようです。

(参考:https://beatlesdata.info/alternate.htmlいつもお世話になりまくってます…!

このミックス違いはモノラルの方が好きかな。ジョンのスキャット?が長く残るのはモノラルです。

 

あと上記サイトによるとドイツ盤にはAll My Lovingのイントロにハイハット5発が入るやつがあるとのこと。これは気になる…!たぶんライブでポールが「1,2,3,4,yeah!」とカウントしてから入るやつ(アンソロジー1に入っているエドサリバンショーで聴ける)をスタジオではリンゴがやったんですかね。いつか欲しいなぁ。

 

余談ですが、だいぶ前にこのアルバムのステレオオリジナル盤を買いました。状態があまりよくなくて安かったところ、UKオリジナル盤という甘い響きにやられて買ってしまいました。もちろんラウドカットです。たしかに音はそんなに良くなかったのですが、それなのに何…⁉︎この鮮やかさ…!と狼狽しました。腐ってもUKオリジナル盤。

 

・まとめ

ということでまた1987バージョンを選んでしまいました。せっかく新しくmonoを出してくれたのに申し訳ない。選ばなかったけど、もはや好みの問題で2009バージョンも良かったですよ。All My Lovingとか特によかった。話題にもなるし、出してくれたのは本当に嬉しいと思っています。何度もリマスターされて財布には厳しいですが、文化遺産としてはよりよい改良が入るべきだし、誰かが言ってた「勝者の証」ってのもわかる気がします。

 

次はサードアルバム、A Hard Day's Nightをやります!頑張ります。

 

 

Beatlesモノラルステレオ比較①

これがやりたかった!聴き比べ!f:id:kutsune60:20180628205528j:image

今日は僕が愛してやまないビートルズの話を書きます。備忘録も兼ねて公式アルバムのステレオorモノラルリマスター盤の聴き比べです。完全に主観と僕の好みですが、この盤はこっちが好き!を書きたいと思います。

 

Yellow SubmarineとLet It BeとAbbey Roadはステレオでしか出ていないのでモノラルはありませんが、2009年のステレオリマスターと1987年のジョージマーティンのリマスターを聴こうと思っています。また、トップに写真を載せておいてなんですが、レコードの各国盤まで聴き比べ始めると相当なボリュームでマジで沼なので、とりあえずはデジタル化されて出ているCDを対象にします。各国盤レコードはそんなのが書けるほどには集められてないですしね…。そんなのはレコードの内溝マトリクスの意味が分かるくらいにならないと、知識的にも畏れ多くてできない気がします。

 

今回のネタは脱初級ビートルマニアと楽しめたらいいなと思います。ビートルズはひと通り聴いたから次はどうしよう、という方の音源聴き比べへの道の一歩になったら幸いです。

 

Please Please Me[1962]

順を追っていきたいと思うので、やはりファーストアルバムからいきたいと思います、1枚目は僕がレコードでビートルズを集めるきっかけにもなったPlease Please Meです。実は最初、これのステレオ録音をレコードで買ったことがきっかけでレコードというものにハマりました。なんですが、Please Please Meはやっぱりモノラルに軍配が上がると思います。

 

・ファーストはモノラル

このアルバムはモノラル派が多数派だと思います。界隈では有名な話ですが、初期のアルバムのステレオはオススメできません。ミックスの問題で左右で楽器とボーカルがぱっつり分かれてしまっていて、スピーカーでの再生ならともかく、イヤホンやヘッドホンでは非常に気色が悪いです。「泣き別れステレオ」とか言われてるくらい分離しています。

各家庭にある音楽再生環境がモノラルばかりであった当時、ステレオ音源には力を入れていなかったというのが定説で、ステレオ音源はやっつけで作られていたと言われています。モノラルがあくまでメインで、ステレオは適当だというのは聴いていてもなんとなくわかる気がします。たとえば曲のPlease Please Meのステレオはジョンが2番で歌詞を間違えますし、曲の最後、「Me,Oh yeah,like I please you」を繰り返すところなんですが、演奏がぐちゃぐちゃになってないでしょうか。タテ合ってないのになんで採用したんだろう。

 

ジョージマーティンがCD化した時に Please Please MeからBeatles For Saleまでの初期4作品はモノラル音源が採用されていますが、マーティンが「初期はステレオでは聴かせらんねえなぁ」と思ったからなんじゃないでしょうか。

 

・2009モノラルリマスターより1987旧CD

ステレオリマスター盤を却下したら、2009年のBeatles in Monoか、1987年からの旧CD盤かで選ぶのみです。ステレオ・モノラルというものを知ってから気づきましたが、僕が小学生の頃からせっせと聴いてきた音源はモノラルでした。それもあって違和感アリアリの泣き別れステレオはやっぱり選べませんでした。

そして聴き慣れているからかもしれませんが、2009モノラルより旧CDモノラルのほうが僕は好きです。楽器の音に関してはさして違いが分からないのですが、ボーカルが2009モノラルの方が埋もれ気味というか、遠いところにいる気がします。旧CDモノラルのほうが一発録りの迫力が楽しめると思います。このアルバムの醍醐味は最後のTwist And Shoutのジョンのボーカルだと思うのですが、その鮮やかさで選びました。すでにあちこちで語り尽くされていますが、このテイクはやっぱりすごい。音楽史に残る名テイクだと思います。

 

 ・Please Please Meは旧CDモノラル

ということで、僕の個人的結論は Please Please Meは1987年のCD化の際にジョージマーティンが作ったモノラル音源です。1枚目から新しいやつのほうがよいみたいな結論にならなかったので先が楽しみです。

 

・ステレオは要らない?

では2009年のステレオリマスターは聴かないでよいかというと、そうは思いません。ビートルズ好きとしてはこれも聴いてほしいです。 Please Please  Meでジョンが2番の歌詞を間違えると書きましたが、その後ジョンはカモン〜の部分で「やっちまったぜ」的にすこし笑います。それがたまらないのです。すぐそこに23歳のジョンレノンがいる感じがして僕は毎回ニヤけてしまうのですが、分かってくれる方がいると思います。

 

1987年モノラルがベストだけどファンとしてはステレオもぜひ!という結論でファーストアルバムを締めたいと思います。

 

森道市場2018録②

2度目の森道市場へ

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だいぶと梅雨っぽくなりました。

僕はアジカンのサーフブンガクカマクラを聴いていれば梅雨は乗り切れる人間なのでよいのですが、やっぱり嫌な季節ではありますね。

でも朝から降る雨に透明なビニル傘をさして、江ノ電に乗ってフィルムカメラと鎌倉のお寺を歩き回って、夕方になって由比ヶ浜に出たら雨が上がって空は橙色に、みたいな展開があるなら悪くはないな。とか神戸で書いてます。鎌倉は遠い。

 

この前に書いていた森道市場録の2日目を書きたいと思います。去年を超えてバカみたいに雨が降った2日目でした。

 

森道市場2018 day2

今年は参りました。雨が降るとは聞いてたけど降りすぎちゃう?2日目はもう朝から雨で、泊まっていたええ感じのホテルの快適な朝からは非常かつ非情な距離がありました。2017年も1日目は雨だったので、朝はたいして気にせず三河大塚から歩き始めたのですが、会場に着いたくらいからガンガンの本降りになってきました。これで今年もテント勢の地獄絵図を見てしまったので、森道でテント泊はまた遠ざかった気がします。

 

去年、雨に打たれながら観たペトロールズでBeatlesでも来ない限り雨の中がっつりバンドは見ないと決めてたので、今年は力を抜けました。マトモに行ってたら僕は身体が保たなかっただろうから、その意味では去年の経験は生きたのだろうとは思います。登山用のミレーのレインウェアとモンベルのレインパンツで挑んだのですが、今年はさすがにあかんかったです。去年はいけたんだけどな。では、どうしてもレインウェアを打つ雨の感覚が記憶にまとわりついて来ますが、2日目の何を聴くのだを書いておきます。

 

何を聴くのだ

僕の2日目の流れはこんな感じです。

片想い→Michael Kaneko水曜日のカンパネラ→スペアザアコースティック→サニーデイサービス

くるりtofubeatsmabanuatoeは断念しました。くたばるくらい好きなら死亡上等だったのですが、くたばってしまっては元も子もない。

片想いは、片想いを教えてくれた友人と来ていたので是非観たかったのだけど、雨であまり積極的になれませんでした。朝ごはんを食べてました。雨の中聴く音楽でもないし、運が悪かったです。

Michael Kanekoはこの日の個人的ベストアクト。チルアウトステージのテントをバツバツと雨が打つ中での演奏でしたが、屋根の下なだけまず良かった。まだ午前中でしたがこの時点で一緒に来てた友人のうち2人は東京に帰ってしまいました、脱落です。そのくらい雨は降ってたのです。演奏中、2度も停電トラブルがあり、アンプラグドステージが勝手に発生したのだけど、これがエモかったことエモかったこと。森道に来てベンEキングやオアシスが聴けるとは思っていなかったです。あとどの曲だったか忘れてしまったのだけれど、ギターソロの直前で復電した曲がありました。予習の甲斐もあって電気が来た瞬間、「ここで来たか!!」って思っちゃいました。「めっちゃ美味しいやん!」って声に出さずに叫びました。復電ギターソロと呼びたいと思いますが、あれは完全にミューズが降りて来た瞬間だったと思います。案の定、会場の感情全部を持っていってたと思います。ありがとう音楽。

水曜日のカンパネラは、理解がついていきませんでした。退場の仕方がすごかった。演出の人はさぞ楽しいのだろうな。振ればコムアイコムアイであれこれやってくれそうだし。音楽もかっこいいんですが、実は僕は水カンがわからない。フェスに来たら見に行くけどワンマンは行かないかな。この前、録音媒体についてコムアイが持論を述べてるインタビューを読んだけれど、その辺の思想も合わなくて。僕はクラシック生まれビートルズ育ちなので、どうしてもよいメロディが好きだし、ビートはファンクが持っている程度にあれば十分で、16分音符以上はあまり要らないかもしれません。とは言いつつ好きな曲はけっこうありますが。

スペアザアコースティックは、すみません、ずっとテントの下にいました。知ってる曲ばかりやってくれて最高だったはずなのですが、雨が強すぎました。会場に落ちてくる雨の音でもはや漏れ音も聞こえない。ミネストローネとホットワインを飲みながら遠く聞ゆる演奏を聴いていました。これはこれで正解だったと思います。

最後に観たのはサニーデイサービス。Dance to the popcorn cityのツアーに行っていたのでそんなにモチベーションは高くなかったのですが、ホントこれを観てから帰ってよかった。本当にそう言えるライブでした。なんせリズム隊がキレキレのバッキバキでした。もしかしたらファンクロックバンドだったのかも。それくらい縦のノリでグりグり来てました。この頃には天気は風も出てきて、会場はさながら台風中継の様を呈してきていましたが、それさえ演出みたいなバンドの勢い。めっちゃよかった。「新曲やります!」と言って叩き込んできたFuck you音頭も衝撃でした。リリースされたマスター版を聴いたけど、あの日の天気と共に荒れ狂うキレキレ版を聴いてしまったら、物足りなくて仕方ありませんでした。雨に負けてサニーデイを聴かずに帰っていたら本当に雨に負けていただろうな。あのライブを見たから、来年も行っていいかなという気になっている自分がいます。

 

サニーデイサービスの後、僕らも脱落しました。もうムリ。雨はともかくとして風が凄かったです。雨つぶてに殴られながら蒲郡温泉に向かい、駅の近くでひつまぶしを食べて生き返り、なんとか棺で冷たくなることなく帰りました。音楽は素晴らしかったと書いておいてなんですが、この日の1番の幸せはこのひつまぶしでした。店のおばちゃんもめっちゃええ感じでした。また行こう。

 

最後に、やっぱり気になったのは、フェスなのに皆さんさすがに傘さしすぎじゃないでしょうか。当たり前かのような傘咲き率。カッパで雨に打たれている自分がアホくさくなってきてしまって、傘を持って来ればよかった的な気分にさえなりました。ええんかいな。

 

愛知県であるええ感じのフェスということで、僕は西の人間と東の人間を結びつけられる大事な場所だと勝手に考えています。来年も行きたいから、次の発表を楽しみにして森道市場2018録の締めといたします。

森道市場2018録①

2度目の森道市場へ

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本当に今さらですが、気持ちのよい時期が終わりつつあるので、気持ちのよい時期の話を書きたいと思います。

5/12〜5/13で出かけた音楽フェスの話です。まぁ実際はバカ雨に降られて泣きべそかきそうになって帰ったのだけど。

 

森道市場という野外イベント

あの週末は毎年GW明けの週末に行われる森道市場という音楽フェスに遊びに行ってきました。主催者はあれはフェスじゃなくて野外イベントだと言っているらしく、会場にたくさん人がいる割にはステージ前には人がいないから、僕も厳密にはそうなんだろうなと思います。音楽目的でなくても楽しんでる人がたくさんいるからだと思います。

 

でも僕は音楽を聴きに行って友達とおしゃべりをしてお酒を飲むという機会を求めているので、僕の中では音楽フェスと呼んでまったく相違ないと思います。毎年、遊園地の遊具に乗りたいとか海で遊びたいとか思うのですが、好きなバンドを回ってる内に終わってしまう。

 

今年は登山用ゴアテックスが敗れるほどのバカ雨により2日目は生きた心地がしませんでしたが、それでもいい思い出はあります。なんとか生きて大阪に帰れたので、楽しかったことや感じたことを書きたいと思います。

 

5/12、森道市場day1

晴れの参戦

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森道市場は愛知県は蒲郡市で行われるフェスです。名古屋駅からJR東海道線で1時間。遠すぎないという絶妙な遠さ。会場では関西弁も関東弁も聞こえてくるけど正直、みんなよく来るなと思います。他には何もないよ蒲郡

僕は仕事で週に1,2回は三河に用があるので、さすがに蒲郡までは行かないのだけれど、名古屋からそっち方面の電車には明るいのです。なんなら今も三河から大阪へ帰る列車の上なのです。まだ着かない。

 

早起きして7:30の新大阪駅に友人と集合。名古屋までは第二の通勤ルートみたいなものなので、こういう時は勝手がわかって嬉しい限り。新大阪〜名古屋は12号車に乗っておくと新大阪で階段を上がってすぐ列車に乗り込んで、名古屋で列車から降りてすぐ階段を降りられます。あとゴミ箱にゴミを捨てたい人は東京方面13号車側の扉がおすすめです。

 

去年は朝からめっちゃ雨だったので、今年は新幹線に乗ると青空なことが嬉しくて、大山崎あたりでもう楽しくなってきてました。太陽は偉大なり。青空は尊い。窓の大きい700系に乗っていたのでなおさらです。C54編成でした。去年の6/7にも乗っています。気色が悪いことを承知で申しあげますが、僕は乗った新幹線の編成番号を記録しているので、同じ編成に当たると久しぶり〜元気〜?という感覚になります。

 

名古屋駅東海道線の新快速に乗り換えて、三河大塚駅まで行くのだけれど、車内は行き先が同じと見える人ばかりで、なおテンションが上がります。車内みんなはもう楽しそうで、フェスはこうでなくてはね。

そのぶん、三河大塚駅ではあまりにみんなが降りるものだからたいそうな混雑でした。端っこに乗っていたこともあって、降りてからずらっと並ぶ出口までが遠い。来年があれば真ん中へんに乗ろうと、もうひとつ学びました。

 

三河大塚駅で東京からの友人たちと合流して、遅れて参加する組を除くパーティが完成しました。三河大塚から会場まで歩くのだけれど、雨のせいで遠く感じた去年に比べて近いこと近いこと!海沿いを歩く所もあって気持ちがよいし、健脚ならバスなんか要らないね。もっと子供連れに譲ってあげてはいかがでしょう。

 

会場は去年と同じでしたが、動線がすこしいじらられていました。自分でも内輪ながら小さいイベントをやるようになってから、そういったところを見てしまうようになりました。おこがましいとは思うけど、学ぶのは悪いことではないと思うので、ええよね。

去年渋滞していた道路側の出店エリアはすこし整理されてたと思います。一方で、入口が謎に遠く離され、説明も分かりにくく、信号のある交差点付近は時間によっちゃ大変だったみたいですね。後からSNSで読んだ話だけれど。なんでああ動かしたのだろう。知りたい。

 

何を聴くのだ

僕の1日目の流れはこうです。

在日ファンク → John John Festival →Nulbarich→アジカンOriginal Love

在日ファンクは学生時代にやっていた音楽のせいで、リハからしてもうよかった。ギターの音色だけで練習スタジオを思い出しました。やっぱりファンクはまたやりたい。

ジョンジョンは客層がとてもジョンジョンで、面白かったです。映画タイタニックにディカプリオが優雅な船上ダンスパーティーの下で、船の下の方で、アイリッシュダンスをするシーンがありますが、描かれているようにアイリッシュダンスは身分の高い人たちのものではありませんでした。それがオーガニックナチュラル系お洒落ピープルにこのように消費されているのは不思議であります。けなしたみたいな言い方になったけどそうではなくて、他意はなく単純に雨白いなというだけです。僕は無印良品は好きです。

ナルバリッチは歌が音源のままでびっくり。上手いなぁ。ただ、ずっと一度聴きたいと思っていたのでけっこうメインに据えていたつもりだったのだけれど、割とあっさり聴き終えてしまいました。

その対極な感想になったのがアジカン。中坊の頃からアホほど聴いてきたアジカン。邦ロックではぶっちぎりで1番好きですが、もう何度もライブに行ったし、6月には骨芋盤のツアーにも行きます。まぁちょっとでええかなぁ〜と思って遅れて行ったら、クソエモでした。さすがに人が多くて、風向きのせいで音が安定しないくらいには後ろの方だったのだけれど、クソエモでした。今を生きて→生者のマーチ→海岸通りって、最高か。やってくれるだろうなとは思っていた生者のマーチ、ライブ最高でした。やっぱあれいい曲だね。海岸通りの匂いがすこしする気がする。

最後に、この日のトリはOriginal Loveだったのですが、ベストアクトでした。知らない曲まで全部よかった。帰ってからめっちゃ聴いたアーティストの1つでした。キャラにびっくりしたところもあり、惚れました。いい音楽やるなぁ。余韻がすごかった。ありがとう音楽。

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Original Loveのおかげで、終演後は三河の日本酒で酔っ払いました。翌日の雨を危惧して開催された砂浜でのアイリッシュパーティで踊ったりもしました。

 

今思うと1日目はどれだけ楽しく幸せであったことでしょうか。去年フェスや山で雨を経験して打たれ強くなったと思っていた僕は、翌日の惨状をまだ思い描きもしないのですが、2日目の話はまた続きといたします。

 

 

The Beatlesへの想い

僕をつくったBeatlesへの想い

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いま僕は新千歳空港から関西空港へ移動する機内で下書きをしたためています。片道2時間20分、同じ国内だけど遠いですね。

 

ニコンポを買い換えた嬉しさでまだ道具の話しかしていませんでしたが、今日は好きな音楽の話をしたいと思います。

 

両親がクラシック音楽を好んで聴いていたので、昔から音楽そのものには馴染みが深い環境には身を置いていました。音楽はたぶん好きでした。ただ、多分それだけでは人よりも好きかなというだけで終わっていたかな。好きなバンドのライブを聴きに出かけたり、音楽フェスに行ったり、レコードを集めたり、という今の自分にはなっていなかったと思います。僕の「音楽が好き!」を作ってくれたのは完全にビートルズでした。

 

Beatlesとの出会い

僕はビートルズが好きです。自分の中にある色々な思いの中で、1番確固としてある思いは多分これです。写真を撮るのが好きだとか、関西で暮らしていたいとか、カレーの後にはコーヒーを飲みたいとか、他にも趣味嗜好はたくさんあるけれど、断トツで確固としている感情はこれなのです。

 

小学5年生の時に、祖母宅の叔父の部屋にある机の引き出しから出てきたカセットテープを家に持って帰って聴いてから、今までずっと好きなのです。あの衝撃はなんだったのだろうと思います。好きな食べ物や好みの音楽や気になるあの子が変わりゆけど、Beatlesだけは好きなバンドで不動の一位でした。浮気はなく、ミリ微塵ゆらいだことすらありません。

 

叔父のテープにはいろいろと有名どころが入っていたのだけれど、その中の「Hello Goodbye」と「All You Need is Love」にハマったのをよく覚えています。朝学校に行く前に居間のスピーカーでその2曲を聴く日々が続きました。

 

その様子を見た母親が叔父に「あの子ったら毎日ビートルズを聴いているわよ」と言ったところ、喜んだ叔父がビートルズの全アルバムをCDに焼いて送って寄越したのです。全アルバムを。それからはもう大変、僕は居間のスピーカーで毎日ビートルズを聴くようになり、呆れた両親が買ってくれたのが先日買い換えたシャープのミニコンポなわけです。

 

ちなみに、この時送られてきたアルバム(Please Please MeからLet It beまでの13枚+パストマスターズ黒白とベスト盤の1)の中で、僕が1番気に入っていたアルバムはBeatles For Saleでした。しかも曲でいうとEvery Little Thing。小学生にしてはシブい選曲だと今でも思います。

 

その後もビートルズ熱は冷めることなく、中学生になる頃には彼らが好きだった50年代の音楽なんかを聴くようになったりして、オレンジレンジケツメイシが流行る中で話が合わないくそガキとして過ごしていたのをよく覚えています。たぶん僕の中で中二病とくっついてしまった部分があって、ロイオービソンやファッツドミノを好んで聴く自分に酔っていた部分も、いま考えるとないわけではない気もします。いま思うとそこには、恥ずかしさがないわけではない気がする…。

 

ビートルズアジカン

ちなみに、僕の音楽遍歴を語る上でもうひとつ外せないバンドにアジアンカンフージェネレーションがあります。アジカンがいなければバンプエルレRADWIMPSチャットモンチーも聴いていなかったと思うので、その存在は大きいです。クラシックとビートルズ周りの洋楽しか聴いていなかった僕の腕を邦ロックに引っ張ってくれたのがアジカンだったのです。

 

じゃあなんでアジカンを聴いたのか?という話ですが、これは仲の良かった友人にアジカンを勧められたのがきっかけです。

ただそこにもビートルズが絡んできます。

アジカンで最初に勧められた曲は「メロディーラインが綺麗だから聴きやすいよ」という理由で「君の街まで」でした。勧められた後にアジカンとはどんなバンドなのか、Wikipediaで検索してみたら、ギタボがベースを誘った時、好きな音楽を尋ねたら「ビートルズ」と答えたから気が合いそうだと思った。そんなエピソードが書いてあったのです。ビートルズが好きだと聞いて「コイツいいな」と思ってメンバーを誘ったのかと、なんとなく趣味がこちら側な気がして聴き始めたのをよく覚えています。

そんな感じで、他のことの判断基準もビートルズになっているくらい、彼らの音楽や思想に傾倒してる時期がありました。

 

レコードとビートルズ

僕は音楽をレコードで聴きます。CDはほぼ買わないようにしてます。レコードの方が場所を食うのだけれど、データしか入っていない円盤を買うのならレンタルかサブスクリプションでよくない?と思ってしまう。ジャケットも大きいし、理論上は無限に近い情報量が入っているアナログレコードで買った方が意味があるな〜と思ってしまうのです。

(この記事を書いて半年以上、最近サブスク音源のBluetooth接続より断然CDの方が音が良いことに気づきました。当たり前ですが、CDもいいな…笑)

 

そんなレコードも、学生時代にいたバンドサークルで先輩に「そんなにビートルズが好きならレコードで聞かなきゃダメだよ」と言われたのがきっかけでした。新宿のディスクユニオンに連れて行ってもらったのがよい思い出です。

 

100回生まれ変わっても好き

飽きるということは人間誰にでもあると思います。僕だっていろんなことに飽きてきました。飽きは来なくとも、環境が変わってやらなくなるものもあります。

 

ただ、ビートルズには飽きない。たぶん100回生まれ変わっても好き。僕の寿命が80年なら8000年くらいは余裕で愛せそうです。あぁ今日はビートルズしか耳が受けつけないなという日だってあります。

 

学生最後の海外旅行は1人でイギリスに行きました。リバプールへ行って4人の生家を巡ったりしました。もちろんジョンとポールが出会ったセントピーターズ教会も行きました。ロンドンでは大英博物館に目もくれず、ハードデイズナイトのロケ地巡りをしたり、“あの横断歩道”の横でアビーロードのアルバム1枚まるまる聴いてきたりしました。

 

レコードは各国盤やプレス違いを聴き比べる楽しさを覚えました。UKオリジナルの1stプレス、いわゆるマト1の破壊力も知ってしまいました。あれはあかん。たぶんこうやって一生楽しむのだと思います。プレス違いのレコード集めはライフワークに出来そうです。

 

ビートルズは音楽の教科書に載りました。社会の教科書にも載っています。そのうちモーツァルトやベートーベンやストラヴィンスキーと並べられて語られるようになるのかもしれません。

 

それだけすごいバンドなのは嬉しいのですが、もうそんなことはどうでもいいかな。僕は趣味嗜好からものの考え方に至るまで、彼らに作られてしまったところがあります。

 

アップルが節目ごとに出していく新音源にはお手上げです。モノラルのアナログセットは嬉しかったですね。「ちくしょう、阿漕な商売しやがって」と思いながらも散財し続けようと思います。そうやって生涯かけて愛せる音楽があって幸せやなぁとたまに思います。

 

 

オルトフォン 2M Redの嬉しさ

憧れのカートリッジ交換をやってみた!f:id:kutsune60:20180205093640j:image

閲覧数が100を越えましたよという通知が来ていました。閑古鳥なきまくりハマグリな場所になるかと思っていましたが、思っていたよりかは世間の目に触れているようでびっくりしました。もちろん少ないのだろうけど、僕はもっと自己満足に終わる目に触れないものだと思っていたのです。ありがとうございます…。

 

TEAC TN-350のその後

シャープのセットコンポの不調により始まったオーディオ更新企画はスピーカー、CDレシーバー、レコードプレイヤーと来て、細かいところに至り始めました。今回はレコードプレイヤーのカートリッジを変えた話です。

 

購入したTEACのTN-350はとてもよいレコードプレイヤーでした。Amazonで9,000円というオーテクの入門プレイヤーからは明らかに音がかわったと思います。霞が晴れて透明感が出たし、天井も高くなりました。紅茶にざらめ砂糖を溶かしていたのが、粉砂糖になった感じがします。

 

上を見たらキリがないけど、ラックスマンの音なんて一度聞いてみたい気はするけど、僕にとって価格的にここがベストであり、それを含めてとてもよいレコードプレイヤーだと思います。3万円でこの質のものがあるのがちょうどよい。ちょうどよいってすごくよいね!

 

まずデザインは本当によい。モノとして愛着が湧くかというのは、僕は耐久消費財にはとても大事な観点だと思うのです。アームやスイッチにもさほど安っぽさはありません。まぁアームレバーは明らかにちゃちいけど、他がこれくらいよいなら許す!

 

回転の感じもすこし上質な感じになりました。分かるもんなんですね、そんな違い。精度はそこまで高くなさそうですが針圧調整もできるし、ユニバーサルアームなのでカートリッジも替えられます。

 

そう、カートリッジが替えられるのです。レコードプレイヤーをいじる上で最も音が変わるといわれるカートリッジ交換ができるのです。やってみたい!デフォルトのものからカートリッジ交換してみたい!

 

カートリッジ交換の問題点

かくして交換カートリッジを探し始めたのですが、調べてからカートリッジ交換には制限があることを知ります。アームに付けられるカートリッジの重さには上限があるのですね。調べてみたらTN-350のアームへの適正質量は16.5gとのこと。デフォルトでついているヘッドシェルとカートリッジが10gと6.5gなので、デフォルトのより重いものは付けられない!

 

マジかとは思いました。割と選択肢が狭まるんじゃない?と思いました。デフォルトのカートリッジはメーカーのマークこそ消されているものの、TN-350のHPでも公表されているようにオーディオテクニカのAT95E相当のもので間違いなく、決して悪いものじゃないと思います。なんなら替える意味あるんかなとも思いました。

 

でも憧れとはそういうものではないですね。カートリッジを替えてみて音が変わる経験も大事だけど、まずカートリッジを替えるという経験自体をしてみたい。それによりなおのこと自分で組んだこの一式に愛着が湧くことも間違いありません。ここで「じゃあべつにいっか」となるならそれはそれでもよかったのですが、そうはならなかったので「ほないこか!」と憧れに向かって頑張って探すことにしました。

 

オルトフォン 2M Redを買ってみた

初のカートリッジ交換にあんまり高いお金を出すのもあれなのでという思いもあり、価格は1万円台で最初から考えてました。なんなら候補は1つに決まっていて、オルトフォンの2MシリーズのRed、これが前から欲しかった。梅田のヨドバシカメラで貰ってきたオーディオ雑誌でオルトフォン100周年が特集されていて、デザインもカッコよいしモノも良さげだし値段も手頃でええやんと思っていたのです。

 

Redのカートリッジ自体の重さは7.2g、いまのカートリッジは10gあるので上限の16.5gを超過します。ならばヘッドシェルを替えてそちらで減量するしかありません。探してみたらオルトフォンのSH4シリーズというヘッドシェルが自重9.3gとのことで ジャスト16.5gです。するすると決まっていく感じ、なんていい流れ!

 

しかも、限定モデルとしてSH4の赤塗装(通常は銀、黒、青、桃)と2M Redがセットになったものが出ているようです。https://www.ortofon.jp/news/48?category=0

2017年7月に出たものと聞いたのでまだあるかなぁと不安ながらに探したら、新宿のヨドバシに在庫があったようで、無事に入手できました。 届いた小さな箱には他とは違う真っ赤なヘッドシェルがついた2M Redが入っていました。あとは箱の「オルトフォンジャパン」のフォントがすこしレトロで可愛くてよいですね。なぜがNikonミュージアムに行った時のことを連想しました。アルミ削り出しヘッドシェルの質感もなかなかで、思っていたより上等品に見えます。

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早速ヘッドシェルごと付け替えて聴いてみました。何度か交換して思ったけど、これカートリッジだけの交換となるとクソ面倒くさかったと思うので、丸々付け替えの体制にしてよかったとも思っています。付け替えがめんどくさくて結局使わないなら意味ないですものね。

 

音は確かに違います。どちらがよいかという評価は残念ながらまだ僕の耳では出来ていませんが、デフォルトのAT95E相当品よりは力があって、針が拾う音が空気を震わせている感じがします。現に、盤の曲中に針を落とすと、一瞬溝の振動が指に伝わるのですが、その震えがAT95Eとは違います。指の先でルルルルル!ってヘッドシェルの爪が震えるのが伝わるのです。これは楽しい。

 

AT95Eのほうが部屋は広くて、音も素直な気はします。良い意味でCDみたいな明らかさがあって、開発者というかメーカーの情みたいなものは2M Redの方がある感じです。別売で買ったから気のせいかもしれないけれど、これが本当ならAT95Eはデフォルトで付けておくカートリッジとしては最高なのではないかとも思いました。なんせニュートラルな中庸な音から始められるのだから、入門編にはよいですよね。

 

2M Redの購入を通してデフォルトのカートリッジの良さにも気づいた気がします。あぁ、やっぱり、買ってよかった!僕みたいな初心者へ広くオススメできると思います。

 

余談ですが、さきほど上にSH4-Rと2M Redセットの公式HPを貼って、「取付ネジ込み17.0g」と書いてあるのに初めて気づきました。0.5g超過しとるやんけ!カートリッジとヘッドシェルそれぞれの単純な足し算じゃダメだったんでしょうか。まぁもうええか…。頑張れトーンアームということで、本日はおしまいといたします。

 

やっと買ったスピーカーとアンプ

勝者はスピーカーDALI Zensor3とCDレシーバーDENON RCD-M41

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すこし前になってしまったけれど、引っ越しに際してオーディオ機器をワンランクアップさせる企画、とうとう購入に踏み切りました。

 

店に通うことのべ5回、「今日こそ買う!」と決めて行ったその日も店で2時間以上迷うというグズつきっぷりだったけど、とにもかくにも決めたのです。DALIのスピーカーとDENONのCDレシーバーに。

 

スピーカー選びはB&Wの686S2 対 DALIのZensor3

さぁ今日こそ買うぞと決めた頂上決戦の日、候補に残っていたスピーカーは3つあった。B&Wの686S2と、DALIのZensor1、それからZensor3です。

 

この3つに絞って聞き比べをした時、まずはZensor1が脱落していきました。店員さんには最後までZensor1のバランスの良さを勧められたけど、Zensor3の音の太さと低音の余裕に負けてしまったな。確かにZensor1はその価格帯では断トツに音が良くて、モニターすぎる感じもなく過ぎた飾り気もなく、本当によいスピーカーだと思います。「これで十分いいや!」っていう人もいると思う。Amazonのレビューがよいのも頷ける。ただ僕は、低音がすこしさみしいというか、疎になっている感じがして妥協できませんでした。高校時代にチューバを吹いて以来、低音を欲しがる耳であるのが理由かもしれないな。

 

ずっと決めきらなかった686S2とZensor3

Zensor1が脱落していった後、大変だったのはその先でした。686S2とZensor3がいつまで経っても決められない。解像度は686S2のほうが高く、よいスピーカー感がありました。フロントバズレフなぶん、低音もはっきりと飛んでくる。なにより686S2はちょうどよいサイズです。Zensor3はこの前も書いたけど本当に大きい。部屋が小さい僕にはそのわずか3,4cmの差がめちゃくちゃにキツいボトルネックでした。

 

一方で丸みというか優しさはZensor3のほうがあって低音の量感もよく、僕がメインに聴くアナログレコード音源はこっちのほうがよいかもなという気もありました。デザインは好みだし、比較的安いし、686S2のように入荷1ヶ月待ちの状態でもなかった。やはりデカさだけが問題でした。

 

アンプを決めたらスピーカーが決まった

では結局いかにしてZensor3に落ち着いたかというと、最終的にはアンプ側の都合でありました。まぁ部屋が狭いのでアンプといってもCDプレイヤーと一体型のレシーバーなのだけど。アンプ候補として迷っていたマランツのM-CR611とデノンのRCD-M41だが、結局はデノンを選ぶことにしました。マランツはパワーもあり、回路もオーディオ然としていて音質にもかなりの期待が持てました。ただ、たぶん僕は使わないだろうネットワークオーディオ対応機能のおかげで値段は張るし、CP搭載のために立ち上がりと立ち下げに時間がかかる。動作もモッサリと重たい。CDトレイの不具合も多いらしいです。

 

一方のRCD-M41はコンパクトだし安いし、余計な機能がついていない。2017年発売でM-CR611よりも新しい。僕はCDとアナログ入力とBluetooth接続があれば必要十分なのです。筐体は金属で高級感もあり、アナログアンプであるのも興味がある。そんなこんなを理由にCDレシーバーはDENONのRCD-M41にしたのでした。

 

となると問題になるのは、アンプのパワーでした。店員3人をつかまえて聞きましたが、RCD-M41ではB&Wの686S2は鳴らしきらんだろうという話だったのです。なんでもツイーターが金属製のため、アンプにはもっとパワーがあるものがオススメらしく。一方のZensor3は樹脂コーンのツイーターです。アンプに負荷をかけないのでどんなスピーカーでもよく鳴りますというのは公式HPも謳っていました。たしかに金属のほうが分子として運動させるのにたくさんの力がいるので、現実に「パワー不足で鳴らしきらない」ということはあるのかもしれないな。結局これが決め手となりました。

 

 686S2はチョー魅力的なのだけど、これを買うとお値段が張り、動作も重たいM-CR611がセットになってしまいます。DENONで決めるならスピーカーはZensor3です。メーカーもこの組み合わせを推奨している。決まりである。あぁ長かった…。

 

次は色えらび

 

さてあとは消化試合です。まずは色選び。Zensor3は2色展開であり、優しい茶色のウォールナットとクールな黒のブラックです。正直ここでもまたちょっと迷いました。「よい色だなー」と思うのはウォールナットのほうで、台と色が合いそうです。色合いのおかげで軽く見える。

 

一方の黒は締まったクールな印象だ。サランネットと箱の色が同じなので、色の継ぎ目が分断して見えず、すこしウォールナットより小さく見えます。色で感じる錯覚なんて気のせいの上にあるものではないかと意見もあるが、塗装で音が変わるという話もあるので僕はおろそかにしてよい話だとは思いません。金管楽器は金ラッカーか銀ラッカーで音が変わるし、つや消しなんて加工もあるじゃないか。当然、弦楽器もそうなんじゃないだろうか。だとしたら、同じく“鳴る木の箱 ”であるスピーカーが影響を受けないはずがない。調べてみると音の輪郭は黒のほうが出るという意見があるようでした。

 

結局は686S2に憧れた音の輪郭を求めて、またすこしでも小さく見えることを祈って、ブラックを選びました。後日部屋に届いた実物を見て、RCD-M41も黒だしとても満足しています。かっちょよい。

 

スピーカーケーブル選び

 

最後にCDレシーバーとスピーカーを繋ぐケーブルを選ぶことになりました。そうか、単体コンポあたりになってくるとスピーカーケーブルも別売りで自分で選ぶのかと、ちょっと大人になった気分がしました。とは言いつつも、ここはまったくお金をかけませんでしたね。たぶん僕の耳では分からんなという確信があったのと、逆にわかっちゃったらこの先がヤバそうだったからです。

 

ぼくが初めてオーディオに触れたのは吉祥寺の有名ジャズ喫茶メグで参加したイベントでした。サークルのOBの先輩がオンラインレコードショップをやっていて、そのレコード布教企画かなんかに参加したのだけど、いま思うとあれがいろいろなきっかけで、あとたぶん頂点でもあります。あんな環境で音楽を聴くことは普通はありません。なんなら生音より金がかかっているんじゃないか。もう数字はうろ覚えなのだけど、たしかレコードプレイヤーとアンプを繋ぐ線が1m足らずで何十万円とか言っていました。意味不明。オーナーの寺島さんはトロンボーンを吹くらしく、僕も当時トロンボーンを吹いていたのでちょっとお話をすることが出来ましたが、いろんなオーディオ関連の本を見ているとけっこう名前をお見かけするので、すごい人だったんだなと見るたびに思います。いや〜ようやらんなぁ。

 

でも、あの時に赤いスーザフォンみたいなスピーカーから聴こえたビートルズは一生忘れられないと思います。なんせレコードに針を落としたら、自分とスピーカーの間に視覚的に音がタテヨコに並んだのです。リンゴがここ、ジョンはここで、ポールとジョージがここで、と指を指すことが出来そうでした。

 

聴いたのはPlease Please MeのAP8675、1969年プレスの日本盤です。UK盤とはジャケ違いで、俗に言う“初期擬似ステレオ盤”でした。「泣き別れステレオ」ともいわれ、左右で完全にセパレートされた歌と楽器は、携帯音楽プレイヤー時代の現代では非常に不評です。僕もあまり好きではありません。ビートルズはスピーカー以外ではあまり聴かないのだけど、それでも好きではありません。2007年のステレオリマスター盤発売時にアップルの公式ビートルズ音源はステレオ音源とされ、「泣き別れステレオ」が公式音源として認められることになりましたが、意味不明です。初期はやっぱモノラルだろ!

 

話がそれましたが、擬似とはいえステレオ音源であったのは、耳を貫くように素晴らしい解像度のシステムでかけるにはよい音楽であったのかもしれません。そのおかげで僕は生まれて初めて音を視覚的に認知するに至り、CDよりレコードを買うようになり、そしていまちょっとだけよい音楽再生環境に手を出すに至ったのであります。

 

インシュレーター選び

最後はインシュレーター選びだが、結論からいうとこれは買いませんでした。スピーカーを買ったら10円玉インシュレータは卒業しようと思っていたのですが、いっぺんに全部を変えてしまうと音の違いがわかりません。半年前カメラを買い換えた時に、本体とレンズを一緒に変えたらどっちのおかげでどう写りが変わったのかわからなかったのでその反省です。変数を減らしてどの変化が何によるものなのかを味わいたい。レコードプレイヤーを後から替えることにしたのもそのためです。あとフィルムカメラ用のモルトと10円玉で自作したインシュレーターが割と優秀な気がしているのもあるかな。

 

結論、僕は満足です

スピーカーとアンプをいっぺんに変えてる時点ですでにダメな気もするが、こんなもんは最初から気のせいの上にあるものです。自分が気のすむようにやれば幸せなのです。。スピーカーやアンプの音なんて好みであり、ケーブルやインシュレーターによる違いなんてのは僕みたいな初心者にとっては誤差のようなものでかもしれません。インシュレーターを置くよりスピーカーの場所や向きを変える方がはるかに音が変わるよと言う人がいるが、まじホントおっしゃる通りだと思います。、

 

自分で作ってみたシステムで幸せになれるならそれでよいのです。金をかけて幸せが大きくなるならお金をかけるし、色々と試してみたらよいのです。スピーカーのエイジングはまだまだで、これから鳴らし込んでいこうという過程ですが、すでに前のセットコンポより音は良いわけで。まだ音が良くなると思うと今後が楽しみです。

 

今日は東京にいましたが、実家には寄らずに早く神戸に帰ってプレイヤーの電源を入れることにしました。ちゃんと幸せになったので、僕の買い替えは大成功なんじゃないでしょうか。

レコードプレイヤー選び

TEACのレコードプレイヤーが欲しい

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あけましておめでとうございます。

平成30年になってしまいましたが、前回のオーディオ沼に爪先を踏み入れてみる話の続きです。

 

引越しを控え、ちょっと部屋が広くなるのを契機に、10年選手であるシャープのセット売りコンポを卒業しようというこの企画。

 

1番選ぶのに苦労をしなかったのはレコードプレイヤーだと思う。結論としてはTEACのTN-350-CH、これが欲しい!

 

TEACのTN-350-CHを選んだ理由

 

条件としてはまず今のプレイヤーより良いものであること、カートリッジ交換が出来ること、そしてオートリターン機能が付いていないこと。

 

今のプレイヤーは上の写真のとおり、オーディオテクニカのAT-PL300というオーテクで最も廉価な機種で、アマゾンで8,800円というコスパ抜群モデル。僕の周りもみんな持っていて、アナログレコード入門にはこれだろうと今でも思っている。同価格帯にあるDENONのものと聴き比べをしたわけではないけど、中身はほぼ同じと聞いたことがあるので、大きな差はないのだろうな。

 

カートリッジ交換がしたい

ただこのAT-PL300はカートリッジ交換が出来ない。レコードはカートリッジ交換で音が変わるのが面白いとサークルOBのおじさまから散々聞かされているので、カートリッジ交換はいつかやりたいとずっと思っている。だからカートリッジ交換可能は大事な要素だった。

 

具体的にはオルトフォンの2M Redが欲しい。オルトフォンの入門カートリッジという感じだけど、オーテク以外のカートリッジを使うというのが凝ってるぽくて憧れる。憧れだなんてもはや音質の話ではなくなってしまうけど、趣味には憧れというものも大事なのである。

 

オートリターン機能はいらない

あともう1つの条件はオートリターン機能が“ついていないこと”である。オートリターンが無いと不便だという人もいるが、僕は無いものが欲しい。もちろん、なぜわざわざオートリターンがついていないものを求めているのかというのにはちゃんとわけがある。

 

まずはアームの設計限界の話。オートリターン機能をつけるにはアームに可動部分を仕込む必要があって、どうしてもパーツに設計限界が出来てしまう。振動や音の伝導を考えると、余計な機構はないほうがたぶん音はよかろうというのが理由の1つだ。

 

もう1つはオートリターン機能付ではちゃんと聞けないアルバムを持っていること。実はこっちのほうが理由としては大きいかもしれない。そう、ビートルズ好きなら外せないSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandである。

 

サイケ全開の壮大なコンセプトアルバム(メンバーは否定したりもしたけど)の最後を締めくくるド名曲「A Day in The Life」の最後には、ご存知のとおりいろんな仕掛けがある。

 

たとえばオーケストラとピアノが鳴らす最後のガーーンの和音の後にはヒトの耳では聞こえない高周波の音が入り、その後には意味不明のセリフが延々と繰り返される。

 

1987年にデジタルリマスターしてCD化された時、高周波の音はCDだとそもそも技術的に切り落とされてしまうので、聞こえるようにいじられたらしい。学生になってLPでビートルズを聴くようになってから、あのノイズが聞こえないなと思っていたら、レコードでは聞こえないのが正解だったのだ。

 

ちなみに2018年1月のANAの機内誌にあるワインのページ(伊丹から羽田に向かう機内でちょうどいま見つけた)。毎月ひたすらワインの話をしているこの枠が、今月はスケアクロウという赤ワインを紹介しているが、ワインの風味が偶然にもビートルズのA Day in The Lifeをたとえにして紹介されている。

 

『タンニンがソフトで複雑、フィニッシュが長いもの。「喩えるならビートルズのA Day in The Lifeという曲のラスト。最後の音がピアノで45秒ほど続く、あの余韻を思い描いているの」。』あのガーーンンンンの響きを聴きながら飲む赤ワイン、ちょっと興味ありますね…。

 

話が逸れたがオートリターン云々の話に関係あるのは高周波音ではなくて、その後の意味不明なおしゃべりのループのほうである。レコードの1番内側の溝に刻まれたそのおしゃべりは「ネバクルセハニ、オホホ!ネバクルセハニ、オホホ!…」と僕には聞こえるが、ウィキペディアによると「Hahaha, I never could see any other way,never could see any other way」の繰り返しらしい。

 

このループ(インナーグルーブといいます)が、オートリターン機能が付いてしまっていると聞けないのです。その部分に来ると途中で針が上がってしまい、送り溝まで針が行かない。困る。ビートルズが仕掛けた音が聞けない。

 

しかも、先日サニーデイ・サービスのライブ「Dance to The Popcorn City」に行って、ようやっとフィジカルで発売されたポップコーンバラッドのLPアルバムを買って聴いていると、これもDisc2に終わりがけに半端で針が上がる曲がある。あやしい。これもあやしいぞ。しかもビートルズホワイトアルバムを意識したというこの2枚組LP。これにもインナーグルーブが隠されてるのでは?確かめたい気持ちが興ってしまった。オートリターン機能はやはり邪魔なのである。

 

あとオシャレだよねTeacのコレ

最後はレコードオシャレだよね文化にゴキブリホイホイされたようで癪だけど、このプレイヤーは洒落ていると思う。あまり場所を取りたくないなか、オーテクの最新機種AT-LP5のようにでかすぎもせず、フォノイコライザー別売で配線が増えることもなく、値段もちょうどよさがすごい。

 

そもそもTN-350-CH自体も、カートリッジはオーディオテクニカAT100E相当のもの、フォノイコライザー新日本無線製の高精度オペアンプらしく、性能には定評があるそうだ。このあたりは製品HPを見ればいくらでも書いてあるので割愛しますが。

 

かくしてまったく迷わなかったレコードプレイヤー選びでした。

 

 

チミチミ下書きを書いてる間にとうとう昨日、CDレシーバーとスピーカーを購入に至りました。昨日も買うまでお店に3時間近くいた気がするので、結論をまたレポートさせていただきたいと思います。